2014 Fiscal Year Annual Research Report
観光都市伊豆の地域再生に関する実証研究-サステイナビリティと地域セーフティネット
Project/Area Number |
23530365
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
川瀬 憲子 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (40224779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三富 紀敬 静岡大学, 人文社会科学部, 名誉教授 (80135227)
鳥畑 与一 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (60217594)
寺村 泰 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (20197809)
橋本 誠一 静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (90208447)
太田 隆之 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (50467221)
小倉 将志郎 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (90515404)
児玉 和人 静岡英和学院大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (10583362)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 地域再生 / サステイナビリティ / 地域セーフティネット / 地域経済 / 観光都市 / 内発的発展 / 防災まちづくり / 地方財政 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、サステイナビリティと地域セーフティネットの構築に焦点を当てつつ、地域再生のあり方について、現状分析を通じて実証的に明らかにすることを課題としたものである。調査の対象は、静岡県内特に観光都市でもある伊豆の自治体(熱海市、伊東市、下田市等)、東北地域の自治体(石巻市など)、九州地域の自治体(別府市など)である。本研究の始まった2011年度に東日本大震災が起こったこともあり、事前の研究計画書に明記していた東北地域における震災からの復興についても、研究対象として調査を実施してきた。 観光業を中心とした伊豆地域では、主要産業である観光業の低迷、少子高齢化や貧困化に伴う地域経済構造の変化によって、新たな課題が生み出されてきている。地域固有財ともいえる温泉資源は、重要な観光資源であると同時に災害のリスクを伴う側面がある。ジオパークの指定など新しい動きのなかで、住民主体の内発的発展による地域再生の兆しがあるものの、相対的な地域経済の低迷は続いている。 地域住民の生活を豊かにするための処方箋をまず明らかにし、景観を含めた地域のアメニティ構築、防災まちづくりの推進と同時に、貧困問題を解決するための地域セーフティネットの構築が求められているといえる。従来の地域経済や都市再生に関わる研究の多くが工業集積地域や大都市に焦点を当てたものであり、観光都市の再生に取り組んだ研究は少ない。今後とも取り組むべき重要な課題であるといえる。 また東北の被災地域では、大震災から4年経過した現在でも「人間の復興」とはいえない状況にある。5年間で25兆円以上の復興予算が計上され、災害復旧事業と同時に復興交付金などを通じた復興関連事業が進められてきたが、住民生活や生業の再生の方向性すら見えてこない地域が多い。サステイナビリティと地域セーフティネットの構築という観点からの真の地域再生が求められているといえよう。
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