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2011 Fiscal Year Research-status Report

第2次世界大戦後西ドイツにおける難民・被追放民の受容と社会・経済統合の史的研究

Research Project

Project/Area Number 23530421
Research InstitutionSoka University

Principal Investigator

西田 哲史  創価大学, 公私立大学の部局等, 講師 (50440243)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords経済史 / 現代史 / 移民史 / ドイツ
Research Abstract

研究期間全体を通じて、本研究テーマに関する国内外の研究に気を配り、情報収集に努め、研究史の整理にあたることにしているが、平成23年度5月~7月の期間は、とくに先行研究の確認と関連史資料の特定のための情報検索および収集のための活動に費やした。具体的には、インターネット上の各種データーベースの検索や大学の夏期休暇に訪問予定の文書館に問い合わせるなどして、図書・論文等の関連史資料の所在確認を行った。この作業の過程で、難民・被追放民の受け入れに関して、研究対象時期に連邦被追放民省、厚生省等の官庁が刊行した同時代文献の存在も分かった。一部の文献・史資料に関しては、夏に現地(ドイツ)の文書館、大学図書館で閲覧・複写することができた。 8月には、文書館所蔵文書の調査のため、NRW(ノルトライン・ヴェストファーレン州)の州立文書館(デュッセルドルフ)と鉱山文書館(ボーフム)を訪問した。前者文書館では、第2次大戦後、ドイツ東部地域から大量に流入してきた難民・被追放民のNRWへの受容に関する多くの文書を確認・閲覧できた。後者文書館では、ルール地域の石炭産業が難民・被追放民の受容とどのように関わったかを示す文書・史料を発見することができた。これはドイツでの調査での大きな成果であった。また、ビーレフェルト大学のW・アーベルスハウザー教授に紹介して頂いた、移民研究に詳しいポツダム大学研究員のM・ミュンツェル博士と懇談する機会を得て、種々助言を受けた。 9月以降は、4月以降収集してきた2次文献を含む史資料とドイツ調査の結果の分類・分析といった基礎的研究作業に費やした。この作業を通じて、まずは難民・被追放民のドイツ西側占領地域各州への受け入れが非常に複雑な経緯を辿ったことが判明した。そしてその典型が本研究で取り上げるNRWであったことも分かった。この点は本研究を遂行する上での大きな成果となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2次文献を含めた刊行物資料の収集に関しては、コピーも含めて一部入手困難なものがあったが、ほぼ予定通り収集できた。ドイツにおける文書館調査に際しては、たとえば、デュッセルドルフの州立文書館では、NW-52: Arbeits- und Sozialministerium、NW-115: Staatskanzel - Landespressestelle、NW-39: Ministerium fuer Arbeit und Soziales、NW-67 / NW-200: Ministerium fuer Arbeit, Gesundheit und Soziales - Fluechtlinge, Vertriebene, Heimatlose Auslaenderのナンバリングが付された史資料の中から厚生労働省などが所蔵する難民・非追放民関連の史資料を探しだし閲覧した。 また、ボーフムにあるドイツ鉱山文書館では、BBA-10: Schachtelanlage Friedrich der Grosse, Herne、BBA-12: Deutsche Kohlenbergbauleitung、BBA-20: Fried. Krupp Bergwerk AG, Essenなどの史資料を閲覧した。これら閲覧した膨大な史資料群から、本研究にとって重要と思われる未公刊史資料を予想以上に発見することができた。 そして現在は、2次文献・刊行物資料を含め、初年度の夏にドイツの文書館調査で収集した史資料の読み込みと分析の段階にある。

Strategy for Future Research Activity

初年度(平成23年度)同様、難民・被追放民受容政策にかかわる事例の検証に必要な史資料および2次文献等の収集と分析を継続する。大学の夏期休暇を利用して、ドイツでの文書館調査を行う。デュッセルドルフの州立文書館、ボーフムの鉱山文書館、デュースブルクのテュッセン・クルップ・コンツェルン文書館を利用する予定である。また、ドイツ人研究者とも意見交換したいと考えている。 次年度は上記の作業に加え、初年度の基礎作業を前提に、収集した史資料の分析に基づいて、本研究の導入的部分となる占領期における占領軍およびドイツ側の難民・被追放民の受け入れ政策に関して、原稿の執筆を開始する。また、夏のドイツ文書館での調査により収集した史資料の分析に際しては、とくにドルトムントやデュッセルドルフといったNRWの代表的な都市の各産業が難民・被追放民をどのように受け入れ吸収していったのかを中心に考察していく。 初年度に調査のために訪問した文書館のうち、ドイツ鉱山文書館では、本来、史資料の複写等を一切認めておらず閲覧のみだったが、本研究が科研費採択研究である旨等、説明した結果、例外的に複写許可が出た。ただし、実際に史資料が日本の私の手元に届くまでに3ヶ月以上を要した。本研究初年度は、読み込むべき史資料も多くさほど問題は無かったが、次年度も当該文書館を利用する予定でいるので、研究の進捗状況に支障が出ないように、この点は当該文書館にも要望書を出すなど注意が必要と感じている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度に使用する予定の助成金(176,618円)があるが、その理由は当該年度に科研費補助金が3割削減される可能性について指摘があり、そのため、とくに難民・被追放民関連のドイツ語研究図書を、5~7月の間に勤務大学の個人研究費を充当して購入したことに起因している。 当該研究費を含め、次年度には、国内の研究会出張旅費(社会経済史学会第81回全国大会 [於:名古屋大学/2012年5月12~13日] 参加のための交通費、宿泊費、日当)として5万6千円、夏期休暇を利用してのドイツでの調査・研究旅費(航空運賃:15泊16日 [内機内一泊] 1名分、現地交通費[電車・バス等運賃]、宿泊費、日当)として63万円、また、ドイツの各文書館および大学図書館等での資料・文献複写費・郵送料として6万円の使用を予定している。 さらに、設備備品として、「難民・被追放民関連図書」と当時(第2次世界大戦後)の時代を扱った「社会経済史関連図書」およびドイツ政府・省庁刊行(統計)資料の購入費として17万円、消耗品(カラープリンター、プリンター用交換カートリッジ、記憶媒体CD-ROM/USBメモリ、論文等の複写費など)の購入費用として6万円の使用を予定している。以上、次年度は総計で97万6千円の研究費を使用する見込みである。

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Published: 2013-07-10  

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