2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530502
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高久保 豊 日本大学, 商学部, 教授 (20246804)
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Keywords | 経営規範 / 中国 / 企業 / ビジネスモデル / 次世代 / 儒法モデル / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、次世代中国企業のビジネスモデルに着目し、その革新に並行して提起される経営規範に関する問題を整理することにある。 平成25年度は最終年度であることに鑑み、研究課題にかかる抽象化レベルの整理を進め、「中国企業の経営規範とビジネスモデルの転換:『経済性』と『社会性』の統合をめぐって」(アジア経営学会編『アジア経営研究』第19号、唯学書房、2013年)を執筆した。 この論文では、中国ビジネスにおけるドラスティックな価値観の転換の様相をめぐり、ビジネスモデルに「社会性」への視点を取り込むべき時代の入り口に差し掛かっているものとして分析枠組みを構築することとし、ビジネスモデルのなかに「経済性」と「社会性」の2要素をトータルに取り込むことに焦点を当てて叙述を試みた。 具体的には、①中国の従来型ビジネスモデルの特徴、②中国における企業の社会的責任(CSR)をめぐる議論、③中国経営研究と「中国問題」との結合をめぐる議論の3点をとりあげた。とりわけ、上記②では、市場・社会・環境への責任とそれらを統括する管理の「四位一体CSRモデル」を提唱する『中国CSR研究報告』を基にその2009年版と2011年版を比較し、2年の経過を経て中国トップ100企業のCSR意識の向上を初歩的に確認した。 また、『中国CSR報告白書』からは国有企業のCSR報告書に対する評価の高さを確認し、『中国CSR建設青書』からは中国企業の持続可能な発展と「調和のとれた社会」構想との符合性ならびにそのグローバル展開における重要性を確認した。
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