2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530526
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
玉田 俊平太 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (60312790)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 教之 関西学院大学, 経済学部, 教授 (60098431)
安田 聡子 関西学院大学, 商学部, 准教授 (90376666)
|
Keywords | 製品開発 |
Research Abstract |
当初の計画通り、マッサージチェア主要3社(パナソニック、フジ医療器、ファミリー)の企業取材を完了させ、外的妥当性を探るために発展的にそのほかの業界の合計4社(三菱電機、タイガー魔法瓶、ヤマハ、ケンウッド)の取材も行った。それぞれ開発マネージャーに対して、2時間以上のヒアリングを実施完了している。この情報を元に、当研究テーマが対象とするビジネスモデルを精査することができた。マッサージチェアメーカーを含む、これら取材先は、製品市場において高い占有率とその持続性を保持する企業であり、その開発やビジネスモデルにおいて優位性が存在すると考えられる。またこれら企業は、少なくとも長期間にわたり製品を開発しており、質的研究で課題となる再現妥当性においても評価できるものと考える。これらケースに基づき、検証できた内容は以下の通り。 (1) 製品開発における価値は、顧客の便益実現が重要である。(2) 曖昧な便益をどのように解釈するかが課題で、その解釈の手法に技術がある。(3) 便益実現する製品開発は二種類。感覚的に優れた社員が積極的かつ独断的に開発を推進するプロセスと、パートナーと共創するプロセスが存在する。(4) 共創パートナーと開発の双方に特定の能力が必要である。(5) これら能力の集中分散、専門化などで、プロセスが多様化する。 また、このような感覚的な便益を中心とした製品開発については、製品の価値を構成する便益の確立が必要不可欠であり、これら便益は感覚的ゆえに、数値化による客観的な評価が不可能であり、開発者と試用評価者との間に、感覚的な暗黙知が存在し、その評価軸に沿って評価されていく。これは市場で求められる期待便益と開発者が仮想便益との整合で実現される。その整合によって、感覚的な便益を実現し、複数の製品開発を経るごとに、軌道として整合されていく。このような点を概念化することができた。
|