2013 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーロッパ辺境地域における地域文化の越境性と境界性
Project/Area Number |
23530696
|
Research Institution | Keisen University |
Principal Investigator |
定松 文 恵泉女学園大学, 人間社会学部, 教授 (40282892)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小森 宏美 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 准教授 (50353454)
百瀬 亮司 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 研究員 (00506389)
|
Keywords | 社会学 / ヨーロッパ / 地域研究 / 辺境 / グローバリゼーション / ラトヴィア / スロべニア / コルシカ |
Research Abstract |
研究会を8月に1回行い、①地域文化の越境性と境界性の理論的検討をミシェル・ド・ドセルトー『文化の複数性』とアンリ・ルフェーブル『空間の創造』の文献から行った。 2月7日~14日にヨーロッパ辺境地域における地域文化について以下の3点について現地調査を行った。①コルシカ大学の言語研究の教授から1970年代の地域文化復興期においての言語復興活動および80-90年代の言語教育展開期の活動について聞き取り調査。②コルシカ高等教育師範学校の教授への現在のコルシカ語教育と教員養成についての現状と課題の聞き取り調査、および教育資料地域センター・コルシカでの教材収集、③コルシカ文化の博物館での展示方法と今後の展開についての聞き取り調査、およびコルシカの独自性の表象としてのパスカル・パオリとナポレオンについての資料収集。 以上の調査から、コルシカ語は公用語するための言語計画の途上にあり、フランスの他の地域語よりは地位は高いものの、教育においても選択科目でしかないこと行政的にも公用語ではないことが語彙を増やし話者を増やすことになっていないことが確認された。フランスの中でのこの権利要求は難しいものの、EUの他地域とのネットワークの中で情報を蓄積し、地域全体の要求として継続的に公用語化の権利要求をする方針は変わりないことが確認された。 3年間の研究成果は“Comparison of Periphery Regions and Nations in the EU”、“Differentiation in the Understanding of “Nation” After the End of the Cold War”、"Disputes over the Introduction of Bilingualism in Vukovar"と英語で各自が報告をまとめ、5月中にWeb上で公開予定である。
|