2011 Fiscal Year Research-status Report
児童養護施設における家庭支援専門相談員が用いる家族支援技法の普及に関する研究
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23530767
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Research Institution | Japan Lutheran College |
Principal Investigator |
加藤 純 ルーテル学院大学, 総合人間学部, 教授 (80247105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 茂明 目白大学, 人間学部, 教授 (20236813)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 児童福祉 / 児童養護施設 / 家庭支援専門相談員 / 家族再統合 / プログラム評価 / ファミリーソーシャルワーク / 児童虐待 |
Research Abstract |
本研究は、2004年度から2006年度および2008年度から2010年度の科学研究費補助金などにより実施した研究の成果を踏まえて、児童養護施設におけるファミリーソーシャルワークに関する印刷教材および視聴覚教材を作成して、効果的な支援方法を普及させることを目的としている。 2011年度は、児童養護施設におけるファミリーソーシャルワークの支援方法について入所からアフターケアまでの支援過程で重要な場面を抽出し、効果的支援に必要な条件は何か、効果的な支援活動は何か、支援により得られる直接的・短期的な効果は何か、支援により得られる間接的・長期的な効果は何かを分析した。この分析には、プログラム評価の具体的処方として提言されているロジックモデル分析という方法を用いた。 たとえば、自立支援計画書を効果的に作成するために必要な条件として、子どもの年齢や能力、保護者と職員のつながり、職員の時間・力量・文章力、施設内職員の連携、児童相談所との連携、児童相談所の措置決定権がある。効果的支援活動として、日常生活場面での子どもの希望の把握、親の意向把握、児童福祉司の意見聴取をして、施設内で原案を作成、児童福祉司との協議などがある。直接的な効果として関係者の意向が文章化されること、課題や目的、役割分担が明確にされることがある。長期的な効果として、計画に照らして支援の進捗状況が評価できること、目的からずれている場合は軌道修正が出来ること、個々の支援活動が全体的支援過程に位置づけられ、課題や目的を意識した支援ができることがある。 虐待があったとされる子どもと家庭への支援、精神疾患のある親への支援、障害を持った子どもと親への支援などについても同様のロジックモデル分析を実施して、効果的な支援方法に関するモデルを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、2011年度は、児童養護施設職員の参加を得て研究会を開催し、家族支援の方法に関する印刷教材と視聴覚教材で示すべき支援場面の選定や効果的支援要素について検討し、資料の骨子を作成する予定だった。実際には、研究者個人による作業に時間がかかり、研究会の開催に至らなかった。 また、視聴覚教材を作成する業者を選定して、内容や量、作成方法などについて協議する計画だったが、上記と同様の理由で実施に至らなかった。 しかし、研究者個人による作業ではあったが、教材で示すべき支援場面とその場面での効果的支援要素を抽出することが出来たので、「(3)やや遅れている」と評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度は、研究会を8回程度開催して、児童養護施設における家族支援での効果的支援要素について説明する印刷教材の骨子を作成する。また、視聴覚教材で示す支援場面を選定して、その場面のロールプレイで示す支援のポイントと具体的内容を検討する。さらに、視聴覚教材全体の構成案を作成する。 2013年度は、家族支援の具体的場面のロールプレイを撮影して、編集し、視聴覚教材を完成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2011年度の研究費未使用分は、2012年度と2013年度に進める教材の作成および配布の経費として用いる。
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