2014 Fiscal Year Annual Research Report
喪失体験に関わる対人援助者と被援助者の関係解消及び関係修復過程に関する縦断的研究
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23530821
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
増田 匡裕 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 准教授 (30341225)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | グリーフケア / 喪失体験 / ナラティヴ |
Outline of Annual Research Achievements |
諸般の事情により、3年目の後半で研究計画を大きく変更せざるを得なかった本研究であるが、繰り越しである4年目には、今後の研究のために非常に有意義なパイロット・リサーチをすることができた。そもそも平成22年10月に立案したグリーフケアの研究を、そのまま東日本大震災以降に実施することは困難であり、喪失体験とは何か、何故支援を欲しているのか、何故支援が必要なのかを問い直すのに、様々な関係者とのインフォーマルな情報交換が必須であった。申請時に予定した調査対象者との入念な研究打合せ、周産期のグリーフケアに関する医療従事者対象の研究会・学習会、ピアサポートグループへの参加などの3年間の情報収集を経て、平成26年度には「『喪失体験を初対面のオーディエンスに語る』という体験」を8名のインフォーマント(全員女性)に語ってもらうナラティヴ・インタヴューを実施した。またそのうち1名については、9か月後に再度のインタヴューを実施した。8名は全て「子どもを亡くした母親」であるが、亡くした子どもの年齢は胎児・新生児・乳幼児・青少年・成人と様々である。全員がグリーフケアの重要性を医療従事者や一般に説明する活動に携わっている人物であるが、関与し始めた人物から、活動を終了することを検討している人物まで様々である。またインフォーマントのうち2名は医療従事者でもある。これらの女性たちのナラティヴを分析することで、喪失体験者が喪失を語る動機とオーディエンスからの反応を受けた動機や自己像の変化を質的な記述として明らかにした。そして、次の科研費申請課題「援助者・被援助者間の悲嘆ケアに対する認識のずれを修正するコミュニケーションの実践」のリサーチクエスチョンを明確にした。
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Research Products
(1 results)