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2011 Fiscal Year Research-status Report

高齢者の社会情動的選択性とリスク志向性が及ぼす生活の質への影響

Research Project

Project/Area Number 23530825
Research InstitutionAomori University

Principal Investigator

渋谷 泰秀  青森大学, 社会学部, 教授 (40226189)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 渡部 諭  秋田県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40240486)
吉村 治正  奈良大学, 社会学部, 准教授 (60326626)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords社会的認知・感情 / 社会情動的選択性理論
Research Abstract

本研究は、高齢者の生活の質についての基本的な理論として従来から提唱されてきた離脱理論、活動理論、及び継続理論では、高齢者の行動の原因を説明する事が困難であるとの主張がなされている状況に対して、Carstensenら(1999)の主張する社会情動的選択性理論などに基づく未来展望など用いて高齢者の行動を強く影響する要因が「高齢」という事実ではなく、自分の人生に残された時間がどの程度であるかの認識であるとの視点を社会調査を用いて検証する実証研究である。社会情動的選択性理論は北米を中心に行われてきた実証研究では、高齢者の行動に対する説明力の強さが証明されてきた。本研究の具体的な目的の一つは、社会情動的選択性理論によって説明される2種類のゴールに基づく動機づけによる行動パターンの相違が生活の質に及ぼす影響を評価する事であるが、現在パイロット調査に基づいて本調査用の調査票がほぼ完成している状況である。研究計画の中で取り扱われる事になっているリスク志向性については、現在、リスク志向性の項目を含めることによる研究参加者への情動的な影響を評価しているところである。調査計画では、ランダムサンプルを用いて研究調査を進めることになっているが、現時点の知見では社会情動的選択性理論の中心概念である未来展望が高齢者の行動に及ぼす影響は強いと考えられるものの、介護などを必要とする高齢者の中には日常生活に関る要因が未来展望のような要因よりも強い影響力を持つ場合も少なくないことが判明し、活動レベルがある程度高い高齢者を調査対象とする必要性がある事が判明してきた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

過去数年間にわたって毎年行ってきた高齢者を対象とした社会調査を今年も行い、その調査をパイロット調査として用いた。未来展望、生活の質、自己効力など本グループの先行研究でも高齢者の行動に影響を及ぼすことが判明していること、更には尺度の妥当性・信頼性が高いことなどは確認されている。現在、公共性尺度、仲間意識尺度、地域意識尺度、自己中心性尺度などの妥当性及び信頼性を確認しているところである。これらの尺度の確認が終了し、サンプルをランダムサンプルとするか、特定サンプルとするかに関する決定をし、計画通り次年度は本調査を行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度は、当初の計画通り本調査を行う予定である。住民基本台帳か選挙人名簿をサンプルフレームとしたランダムサンプルを行うかについては今後慎重に判断する必要がある。その理由としては、ランダムサンプルを行う事により高齢者のみをサンプルしたとしても、高齢者の活動レベルが社会情動的選択性理論が説明する未来展望を主軸とするほど高くない高齢者が多いいる可能性があり、高齢者の母集団をある程度活動レベルが高い高齢者グループに限定したほうが、研究目的を達成できる可能性が高いと考えられるためである。ランダムサンプルを行うことで余りにも多くのサンプルが無効サンプルとなる可能性が無い限り、計画通りランダムサンプルとしたいが、慎重に判断する必要があるものと考えられる。 その他の研究方針は、計画通りである。また、本研究の特徴でもある項目反応理論及び共分散構造分析は調査結果分析の主軸となる。これらの分析方法を応用することにより、統計学に詳しくない方々にも理解しやすい分析結果の提示を心がけることとしたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度の研究費の主要な使途は調査実費である。調査実費はランダムサンプルに基づく郵送調査になるか、特定集団に御願いする非ランダムサンプル調査になるかによって異なるが、サンプル数を最大にするように予算配分を行う予定である。本研究グループ3名中2名が、昨年度移動しているので会議のための旅費が増大する見込みである。

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Published: 2013-07-10  

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