2014 Fiscal Year Annual Research Report
保護者と教師の連携を促進する保護者面談に向けた研修プログラムの開発
Project/Area Number |
23530849
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
上村 惠津子 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (30334874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石隈 利紀 筑波大学, 副学長 (50232278)
永松 裕希 信州大学, 学術研究院教育学系, 教授 (60324216)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 保護者面談 / 連携 / 教師のニーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、平成19から22年度に行った研究成果をもとに、保護者面談における教師の発話実態を明らかにするとともに、継続的SVを実施することにより研修プログラムの内容を検討することを目的とした。 平成23年度~25年度までの研究の成果より、教師が保護者とともに自らの対応を検討し振り返る機会を持つことに抵抗がある様子がうかがえたこと、教師へのバックアップ体制の弱さや教師自身の気持ちの余裕のなさが、振り返りへの抵抗につながること、教師には保護者面談において困難さを感じるポイントがそれぞれにあることが明らかになった。 以上の結果を踏まえ、平成26年度は特別支援教育コーディネーターを対象に、校内連携および保護者との相談における課題について調査した。校内連携においては、信頼関係構築やアセスメント、目標設定での連携に困難を感じるとの回答が5割だったのに対し、実践での連携に困難を感じるとの回答が7割に達した。保護者面談を実施する教員が感じる校内のバックアップ体制の弱さは、特に子どもへの対応段階で生じる可能性が示唆された。なお、保護者との相談については「問題状況の定義」、「アプローチ・実践」のプロセスに課題を感じるとの回答が7割に達した。問題の共有において、保護者と学校の理解にずれが生じ、これにより信頼関係に影響が生じる様子がうかがわれた。 今回の研究では、計画した継続的SVを実施するには至らなかった。しかし、保護者面談において教師が保護者と対等なスタンスで子どもへの支援を検討するには、校内からのバックアップが必要である一方で、その要となる特別支援教育コーディネーターは子どもへの支援実施において担任との連携に苦慮している実態を明らかにすることができた。これらの結果は、保護者面談において教師に対等なスタンスを取りにくくさせている背景要因へのアプローチを可能にする点において意義があろう。
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