2011 Fiscal Year Research-status Report
保護者にとっての子どもの入園の意味ー「親としての発達」の視点から
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23530866
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
藤崎 春代 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (00199308)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 入園 / 幼児 / 保護者 / 親としての発達 / 発達相談 |
Research Abstract |
●継続質問紙調査1、予備調査(7月):入園先決定条件尺度作成のために実施した。2、第1回調査(8月~11月):家族の状況・子どもの生活状況の把握項目と、入園先決定条件尺度とを含んだ質問紙を子育て広場にて600部配布。縦断的調査協力者募集も兼ねた。回収数(回収率)は318人(53%)。(1)家族の状況:子どもの年齢は、3歳未満が大半であり、子どもを含めた家族人数は3.3人で祖父母との同居は5%と少ない。(2)子どもの生活状況:(1)生活リズムについては、3歳未満児が多いこともあり、ほとんどが昼寝をしている。起床時刻は6時台から7時台が大半だが、10時過ぎという子どももいる。こうした子どもは就寝時刻も11時頃と遅い。(2)遊び相手については、友だちの人数は平均3.8人だが、平日の主な遊び相手は母が83.0%と最も多く、次いでひとりで遊ぶが57.0%、友だちとの遊びは34.0%である。(3)平日のテレビ視聴は、見ない子どもが20%いる一方で、4時間以上という子どもも5%いる。(4)おけいこごとをしているのは24.8%、スイミングなどの運動系が多い。(5)通園状況は、通園している子どもが13.8%であった。(6)通園予定・希望については、幼稚園希望が64.6%、保育所が34.3%。保育所の場合は、半数以上は1・2歳からの入園希望。(3)園選び:36項目について、園を選ぶ際に重視する程度をたずねた。現在、分析中である。結果、318名中178名より継続調査への協力の承諾を得ることができたとともに、協力者についての基礎的情報を収集し、継続調査の基盤を形成できた点に意義がある。3、第2回調査(3月):継続調査対象者に、24年度に向けての入園予定や子どもの生活の様子についての調査用紙を配布中。●発達相談実践研究NPOにおける発達相談実施において、行政担当者や連携機関との調整を図り、相談システムの整備を図った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
●継続質問紙調査当初は、7月に第1回調査、12月に第2回調査、3月に入園予定者のみに対する調査を実施する計画を立てていた。しかし、7月に予備調査を実施したこと、および、子育て広場における調査用紙配布に時間がかかりそうなことを考慮して、第1回調査を8月から11月にかけて行うこととし、当初の計画にあった7月と12月実施予定の調査項目を合体して実施した。また、3月の調査を、入園予定者のみではなく、入園予定者・すでに入園している者・入園予定のない者の3群に分けて実施することにより、おのおのの子育ての状況を把握することに変更した。以上のことより、計画とは一部異なるが、当初の予定項目の調査は実施できていることに加え、入園予定のない者や入園済みの者の様子も把握することができた。●発達相談実践研究従来通り発達相談実践を行う一方で、担当行政部署や連携先との協議を行い、本発達相談の特徴を整理した。その結果を踏まえ、検査を中心としたアセスメントと、保護者支援を核とした相談業務を充実させることとし、それに対応した支援システムを検討し、24年度から実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
●継続質問紙調査:研究計画通りに、以下の3群に対して、継続質問紙調査を実施する。23年度以前に入園している子どもの保護者には、7月と2月に調査を実施し、子どもの生活習慣の獲得の様子や、子どもが園生活を家庭に持ち込んでいる様子、子どもの様子に接しての保護者の反応をたずねる。24年度より入園した子どもの保護者には、4月・7月・2月に調査を実施する。4月調査では、入園に際しての準備状況や、入園直後の子どもおよび保護者の様子についてたずねる。7月と2月の調査の項目は、23年度以前入園者と同一である。24年度未入園児の保護者には、7月と2月に調査を実施する。いずれにおいても、生活の様子をたずねるが、2月調査では25年度の入園予定も確認する。●発達相談実践研究24年度より、幼児期の子どもを持つ保護者を対象としたペアレント・トレーニングを実施する予定である。子育てに配慮が必要な子どもにおいては、入園をめぐる問題に保護者が悩みやすい。実践しつつ、より有効なペアレント・トレーニングへと洗練させていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度の継続質問紙調査において7月調査と12月調査を合併して実施したことにより、支出が抑えられ、24年度以降に24万円程度の持ち越しとなった。この持ち越しについては、24年度研究費とあわせて、以下のように使用する予定である。●継続質問紙調査調査実施にあたって、印刷費・郵送にかかわる経費・謝礼品に使用予定である。調査用紙回収後は、入力のための謝金を支出する。また、各回の調査実施後、結果の概要報告書を協力者に郵送するが、その際の印刷費・郵送にかかわる経費としても使用予定である。その他、文献・図書の購入も行う。●発達相談実践研究発達相談にかかわる教材や遊具を購入するほか、文献・図書の購入を予定している。
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Research Products
(1 results)