2013 Fiscal Year Annual Research Report
対人援助職者の心理的特性の解明とそれに適合するストレスマネジメント技法の開発
Project/Area Number |
23530932
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Research Institution | Kyoto Bunkyo University |
Principal Investigator |
佐藤 安子 京都文教大学, 臨床心理学部, 教授 (60388212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 優年 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (00144098)
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Keywords | 対人援助職者 / ストレスマネジメント / レジリエンス / MBSS |
Research Abstract |
本研究の目的は2つあった。第1に看護師や教師などのヒューマンサービスに従事する「対人援助職者」がストレスをどのように認知し、かつ対処しているかを明らかにすること、第2にそれをもとにどのような心理的介入をすれば、有効なストレスマネジメントが可能なのかを開発することであった。研究方法は調査研究であった。用いた質問紙は(1)ストレス認知の仕方を明らかにするもの、(2)ストレスに対処するための力を測定するもの、そして(3)ストレス度を測定するもの、3種類であった。(2)は研究代表者と研究分担者らが独自に開発した。その結果、対人援助職者は健康な大学生と比較して、ストレス事案から距離をとっていること、ストレス度は低いこと、しかし仕事への生甲斐1つが心理的な安定感を左右する不安定なストレス認知をしていることがわかった。すなわち、ヒューマンサービス利用者からうまく心理的距離をとりながら、生甲斐を大切にして心理的安定をはかるというストレス制御をしていることが明らかになった。 この結果をもとにして、対人援助職者が「問題」と感じて対応が困難になっている利用者を別の角度からとらえなおし、別の対応方法を考えて模擬的に新しい対応を試してみる技法を開発し、実施したところストレス軽減に一定の効果をみた。 なお円滑な研究遂行上、個人結果のフィードバックを迅速に行うためのプログラムを研究協力者のシステムエンジニアが開発したことも大きな成果であった。このプログラムにより、結果返却が非常に効率的になった。
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