2012 Fiscal Year Research-status Report
小中一貫教育における地域連携を基盤とした総合的学習カリキュラムの開発と評価
Project/Area Number |
23530977
|
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
田代 高章 岩手大学, 教育学部, 教授 (70294486)
|
Keywords | 総合学習 / 小中連携・一貫 / カリキュラム開発 / 地域連携 / 地域課題 / 社会参画 / 協同学習 / 評価 |
Research Abstract |
平成24年度は、小中連携・一貫教育における地域課題解決型の総合学習カリキュラムの効果的な開発と検証についての2年目の研究にあたる。 この目的を達成するため、当初の研究計画に示すように、平成24年度は、全国的な取り組みの中から特色ある、小中連携・一貫の総合学習カリキュラムの実践情報を数多く収集することに務めた。その際、実践協力校である青森県東通村立東通学園の「東通科」のカリキュラム開発の構想と検証にも取り組んだ。東通学園の小中一貫総合カリキュラムの中の「東通科」には、エネルギー関係の活動単元も含まれており、震災による原子力発電所の停止の影響が学校カリキュラムにも及んだが、平成24年度も継続的に学校訪問し、年度末の3月の訪問の際には、1年間の「東通科」の成果と課題についての検討協議会を実施した。 また、全国的な動向を把握するためにも、名古屋大学で開催された日本教育学会、東北教育実践・経営学会定例研究会等で情報収集に努めるとともに、岩手県内においても、普代村の普代小・普代中、奥州市の前沢小・前沢中の小中連携・一貫教育に関する情報収集にも努めた。あわせて、小中連携・一貫教育に関する全国的な文献や論文などの情報収集も継続的に行った。 今年度に関する、小中連携・一貫教育における総合学習カリキュラムに関する分析検討が、まだ不十分ではあるが、これまでの特色ある実践状況のカリキュラム上の特徴や、今後の発展の見通しも含めた主な実践動向と、それらをめぐる課題について、岩手大学教育学部附属教育実践総合センターの紀要に一部をまとめて投稿し掲載された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
関連の文献や資料収集は予定通りの進捗状況である。しかし、学校カリキュラムの実際の様子を確認すべく、青森県の東通学園の他、岩手県内のいくつかの学校を訪問したが、「総合的な学習の時間」としての小中一貫カリキュラムを構想している公立学校は必ずしも多くはなく、当初の成果の検証についてのサンプルとして不十分なところもある。参考になるケースや現状把握と今後の展望を考察するためにも、実際にもっと他県の特色ある学校を訪問できればと思っている。また、多くの収集した情報の整理・分析がやや滞っている点を考慮して、やや遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度も継続的に、小中連携・一貫校を中心に、地域連携・地域課題解決型としての総合学習の理論と実践に関する文献や情報の収集に努める。また、学校実践における構想と運用の動向についても継続的に情報収集していく。 ただし、平成25年度は、最終年度であるため、関係文献の購入と情報整理・分析、および実践校訪問も継続的に行うが、それらの、研究の成果をまとめるために、とくに蓄積した情報の整理・分析検討について多くの時間を割いていきたい。 そのような研究目的に即した文献や実践の情報分析をもとに、総合学習カリキュラムの効果的な評価方法に関する研究も含めて、これまでの小中連携・一貫教育における地域総合学習のカリキュラム開発と評価に関しての、理論的・実践的な成果と課題、今後の効果的なカリキュラム開発を有効に展開するための視点と新たな実践構想について明らかにしていく。 それらの研究成果については、学会・研究会、紀要論文等に発表していくことを予定するとともに、最終的に、報告書としてまとめていく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度も、最終年度ではあるが、公立小中連携・一貫教育における総合学習カリキュラムに関する理論と実践についての文献の購入に研究費を充てる。また、情報を整理する記憶媒体装置やDVD等の必要な消耗品の購入に充てる。 また、平成24年度は、実践校訪問のうち、東通学園をはじめ、学校側で研究会を設定し、学校側が旅費等を負担したケースが多かったため、とくに本研究費の当初の旅費分の予算を超える残額が生じた。 平成25年度は、予算枠の可能な範囲内で、校内研究会や公開研究以外の日常的な実践調査および検討整理の機会も設け、東通学園も含め、岩手県内外の実践校視察や学会・研究会等について、本研究費からの出席旅費に充てていく予定である。 最終的な報告書の印刷費にも研究費を使用していく。
|
Research Products
(1 results)