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2012 Fiscal Year Research-status Report

子ども・青年の生きづらさと生活綴方教育の現代的意義に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23530988
Research InstitutionChiba University

Principal Investigator

片岡 洋子  千葉大学, 教育学部, 教授 (80226018)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 佐藤 和夫  千葉大学, 教育学部, 教授 (90114496)
佐藤 隆  都留文科大学, 文学部, 教授 (70225960)
山田 綾  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50174701)
Keywords生活綴方教育 / 生きづらさ / 教育実践 / フレネ
Research Abstract

フランスへの海外視察調査をおこなった。主な訪問先は、パリ郊外にあるマッシー市エレーヌ・ウドゥ図書館と、南仏のラ・シオタ市にあるコレージュ・ジャン・ジョレスであった。
エレーヌ・ウドゥ図書館では、子ども向けアニマシオンの二つのプログラムを視察し、図書館司書の方たちからアニマシオンの目的や図書館の役割についての説明を聞いたうえでのディスカッションをおこなうことができた。これによって、本研究の目的の一つである、海外との比較研究に必要な、幼児から大人まで自己表現し他者と交流する活動の具体的展開例や資料を収集することができた。
公立学校であるコレージュ・ジャン・ジョレスにはフレネ教育の実験的プロジェクトによるクラスが置かれている。そのフレネクラスは高校にあたるリセ・リュミエールへと継続し、中等教育の改革を目指して、伝統的な教授を主とした教育をつくりかえようとする11名の有志の教師たちによって推進されている。その教師たちとのディスカッションをおこない、また実際の授業やアトリエを見学することができた。
フランスの小学校でのフレネ教育は日本でも知られており、日本の小学校でもフレネの教育思想に基づいた実践がおこなわれているが、中等教育では、フランスでも唯一の試みであり、日本ではほとんど知られていない。生徒たちが自分自身の問題関心に基づいたプレゼンテーションから始める教科の授業や、生徒自身が主体的に学ぶ個別化学習、そして自己表現をベースに知的関心を発展させるアトリエなど、フレネ教育の中等教育段階での実践を直に知ることができた。今回、私たちの研究目的を伝えると、フレネ教育プロジェクトを推進している教師たちから非常に共感的に受けとめられ、伝統的な学校教育のあり方への批判的見方を共有しながら、有意義な研究討議をおこなうことができ、日本の教育の現状と課題についての多くの示唆を得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2012年度は、子ども・青年の思考と表現を促すための海外での文化・教育活動を調査し、日本の生活綴り方教育との比較研究をおこなうことになっていた。計画段階ではフィンランドのナラティブを重視した教育活動の調査の予定であったが、先方の研究所が閉鎖になったため、年度当初からあらためて海外の教育動向を調べた。その結果、フランスの図書館でのアニマシオンとフレネ教育の中等教育での実験的プロジェクトが調査対象として浮かび上がった。
翻訳家で作家の辻由美氏を研究協力者に加え、9月から先方との情報交換に当たってもらい、11月に調査内容と日程が確定した。辻氏による事前講演、文献調査等で訪問する施設や学校の情報を得ることもできた。
フランスでの実地調査では、研究実績の概要に記したように、図書館でのアニマシオンをとおして学校内外であらゆる年代を対象とした知的探究と自己表現の活動の実例を把握することができた。また、日本では生活綴方教育とつながりのあるフレネ教育の、中等教育での授業改革の試みを知ることができた。
以上により、2年目の研究計画として予定していたことをほぼ達成し、順調に進展していると評価することができる。

Strategy for Future Research Activity

今年度のフランス調査は年度末に行ったため、研究成果のまとめはこれからである。とりわけ公立中等学校(コレージュ、リセ)でのフレネ教育が日本の教育に与える多くの示唆について、論文等にまとめて公表していくようにしなければならない。
2013年度は、研究会を何度か開催し、研究課題の分担に基づいて、各自が研究成果をまとめていく。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究会を開催するための国内旅費とデータ整理のための謝金が必要となる。

  • Research Products

    (12 results)

All 2013 2012

All Journal Article (9 results) Presentation (1 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] 「見えにくいいじめ」について考える2013

    • Author(s)
      片岡洋子
    • Journal Title

      さいたまの教育と文化

      Volume: 66号 Pages: 23-25

  • [Journal Article] 被災地と向き合い、教育を問い直す2013

    • Author(s)
      片岡洋子
    • Journal Title

      クレスコ

      Volume: 3月号 Pages: 32-34

  • [Journal Article] 家庭科における「言語活動の充実」をどのように捉えるのかー対話の可能性を中心にー2013

    • Author(s)
      山田綾
    • Journal Title

      広島大学附属小学校・学校教育研究会編『学校教育』

      Volume: 1146号 Pages: 12-17

  • [Journal Article] 「肉」に関する家庭科授業の構想と展開ー福島原発事故(3.11)以降におけるESDの視点検討を中心にー2013

    • Author(s)
      山田綾・安藤美紀
    • Journal Title

      愛知教育大学家政教育講座研究紀要

      Volume: 42号 Pages: 83-98

  • [Journal Article] 教師の専門性と〈教室の物語〉を軸とした学びあい2012

    • Author(s)
      佐藤隆
    • Journal Title

      学校運営

      Volume: 7月号 Pages: 12-15

  • [Journal Article] 子どもたちは誰に表現しうるのか-メディアが伝えた子どもたちの震災経験を通して考える-2012

    • Author(s)
      片岡洋子
    • Journal Title

      作文と教育

      Volume: 8月号 Pages: 22-32

  • [Journal Article] コミュニケーションと精神2012

    • Author(s)
      佐藤和夫
    • Journal Title

      尾関周二教授退官記念論集

      Volume: 1 Pages: 29-37

  • [Journal Article] 修士レベルの学修でどのような教師像を描くのか2012

    • Author(s)
      佐藤隆
    • Journal Title

      SYNAPSE

      Volume: 11月号 Pages: 26-30

  • [Journal Article] 家庭科における「言語活動の充実」に関する研究ノート-「言語活動の充実に関する指導事例集」の可能性と課題を中心に-2012

    • Author(s)
      山田綾
    • Journal Title

      愛知教育大学家政教育講座研究紀要

      Volume: 41号 Pages: 73-88

  • [Presentation] 被災地の子どものケアと発達支援2012

    • Author(s)
      片岡洋子、和井田節子
    • Organizer
      日本教育学会71回大会
    • Place of Presentation
      名古屋大学
    • Year and Date
      2012-08-26
  • [Book] 子どもの生活世界と子ども理解2013

    • Author(s)
      田中孝彦・片岡洋子・山﨑隆夫編
    • Total Pages
      304
    • Publisher
      かもがわ出版
  • [Book] 形而上学の可能性を求めて2012

    • Author(s)
      佐藤徹郎・雨宮民雄他編
    • Total Pages
      464
    • Publisher
      工作舎

URL: 

Published: 2014-07-24  

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