2013 Fiscal Year Annual Research Report
子ども・青年の生きづらさと生活綴方教育の現代的意義に関する研究
Project/Area Number |
23530988
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
片岡 洋子 千葉大学, 教育学部, 教授 (80226018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 和夫 千葉大学, 教育学部, 名誉教授 (90114496)
佐藤 隆 都留文科大学, 文学部, 教授 (70225960)
山田 綾 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (50174701)
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Keywords | 生活綴方 / フレネ |
Research Abstract |
本研究は以下の3つの課題の追求をとおして、現代の子ども・青年の生きづらさと生活綴り方の現代的意義を明らかにすることを目的とした。1,現代社会における若者の自己肯定感の低さと、自身の生活上の問題を綴り語り合う経験や文化としての「生活綴方」の欠如がどう関係しているかを明らかにする。2,1970年代以降、岐阜県恵那地域での丹羽徳子の生活綴方教育実践を、とりわけ①親子問題の表現と語り合いがどう変容したか、②生活綴方教育における「自由」とは何か、に着目して分析する。3,フィンランドのナラティブ・ラーニングや、フェミニズムをはじめとする解放運動におけるコンシャスネス・レイジングなどとの比較研究において、日本に独自に創り出された生活綴方教育の独自性および普遍性とは何かを明らかにする。 1について、現代社会におけるコミュニケーションと精神をめぐる哲学的考察の研究論文に反映した。2については、丹羽徳子氏からの聞き取り調査と実践資料の収集をおこない、教育実践の戦後史と教師論の研究論文に反映させた。3については、当初予定していたフィンランドの研究協力者の都合から、比較研究対象を変更せざるを得なくなった。中等教育では初めてのフレネ教育の実験的教育課程を実施しているラ・シオタ市の中学校を訪問し、フレネの自由教育と生活綴方の教育思想、およびフェミニズムにおけるコンシャスネス・レイジングとの共通性と違いについて現地での研究討議をおこなった。これについては今後も研究継続する。 東日本大震災の直後にスタートした本研究では、上記の目的と関連させて、被災地での生活綴方教育や子どもの被災体験の表現についての分析をおこなった。また原発事故後の放射線被ばくについて家庭科教育での試行的実践を分析し、生活上の問題に向きあう学習を促す授業づくりの可能性を探究した。
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Research Products
(12 results)