2012 Fiscal Year Research-status Report
日本と韓国の小学校教員への調査に基づく小学校英語教員研修カリキュラムの開発
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23531022
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
金 ヒョンスク 聖徳大学, 児童学部, 講師 (90524877)
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Keywords | 日韓の比較 / 質問紙調査 / 教員の意識調査 |
Research Abstract |
研究の目的は、国際化に対応できる小学校外国語カリキュラムで必要とされる教員の資質と能力を、日本と韓国の現職小学校教員への調査を通して明らかにし、小学校英語教員研修のカリキュラム開発を試みることである。 平成24年度には、前年度に収集した情報に基づいて、韓国と日本の小学校英語教員を対象にした質問紙調査を実施した。韓国と日本とも平成24年11月から平成25年1月の間に郵便調査で行った。質問紙は約100項目で構成され、韓国ではソウルの小学校約500校、日本では全国の小学校約620校に3部ずつ配布し、1344名の(韓国567名、日本777名)教員が応じてくれた(4割の回収率)。 次に、現地調査としては、小学校英語教員研修に関する実態調査として、韓国初等英語教育学会の主催で行われた国際学術大会(平成25年1月19日、韓国ソウル教育大学)に参加し、現在の小学校英語教育の動向及び教員研修の現状や課題について情報を収集した。韓国では、小学校英語が会話からリーディングに転換しようとしている時期である。授業時間が小学校5、6学年で週3時間になったため、リーディング及び活動中心に変わろうとするのは、当然かもしれない。ここには、新たに教員研修内容を考えなければならない課題が潜んでいる。しかし、地域を中心とする英語図書館の設立、各学校別のコンテンツの確保という部分では、大変すばらしいものがあった。 一方、日本では独自的な小学校英語カリキュラムを開発してきた福岡県大牟田市立明治小学校の卒業生が進学する白光中学校の調査を実施し、その結果を中学校の英語教員に報告し、改善策を考える機会を設けた。この調査は、中学校教員からの問題意識から行われたものである。すなわち、現場の教員のニーズに合わせて、研究者が協力した現場の教員と一緒に工夫する小中連携のよい試み、アクションリサーチの良い形になったと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)平成23年度に得られた結果を基にして、質問紙を作成した。質問紙は、教員の小学校英語に関する意識、異文化意識、異文化間コミュニケーション能力、受けた教員研修の形式などに関する調査項目が中心になる。 (2)研究仮説の検証と精緻化、(3)小学校教員への質問紙調査(日韓)とその分析・インタビューの実施、(4)継続的な資料収集を行う。(3)の質問紙調査により、日韓の小学校英語教員の資質や能力、教員養成や研修に対する意識の特徴を明らかにした。具体的には、調査票配付(郵送法)による小学校教員への調査を行い、調査の統計処理と分析を行う。主に因子分析、クロス分析を想定している。自由記述の分析は、SPSS TEXT ANALYTICSで行った。 平成24年度の目標は、(1)日本と韓国の小学校教員への質問紙調査、(2)研究仮説の検証と精緻化、(3)小学校教員への質問紙調査(日韓)とその分析・インタビューの実施、(4)継続的な資料収集の4つであるが、これらの目標は、日本と韓国で行われた諸学会への参加、中学校での質問紙調査、日韓の小学校教員への質問紙調査を通して、概ね達成できたと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)アメリカ、韓国、日本の英語村のプログラム分析 韓国の済州島に誕生する大規模な英語都市で現地調査を行う。さらに、言語村の元祖であるアメリカミネソタ州の「Concordia Language Villages」および福島県のBritish-hillsの現地調査を行い、これらの体験中心の外国語研修プログラムのコアになる理論を導き出す。これは、小学校英語教員研修カリキュラム開発に示唆を与えると考えられる。 (2)研究仮説の全体的検証では、研究仮説を各課題において全体的に検証し、小学校英語教員研修のカリキュラム開発を行う。 (3)報告書の作成と配付・成果公表 平成24年度及び25年度の現地調査で得られた結果を取りまとめ、カリキュラム学会および小学校英語教育学会などでの研究発表を通して、積極的に日韓の研究者に提供していく。なお、本研究成果を学術論文に投稿し、広く共有に努めたい。また、3年間に及ぶ現地調査、質問紙調査および文献解題を踏まえ、報告書を作成し、協力してくれた諸機関に配付する
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アメリカ、韓国、日本の英語村のプログラムを分析するために、現地を訪問し、具体的にプログラムがどのように実践されているかを情報収集する予定である。また、質問紙調査の結果発表を小学校英語教育学会で計画しているので、旅費がかかると思われる。
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