2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23531028
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
吉田 亮 同志社大学, 社会学部, 教授 (00220690)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
物部 ひろみ 同志社大学, 言語文化教育研究センター, 准教授 (10434680)
小島 勝 龍谷大学, 文学部, 教授 (40140123)
竹本 英代 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (50294484)
本多 彩 兵庫大学, 生涯福祉学部, 講師 (90584798)
|
Keywords | 宗教 / 日系二世 / 越境 / エスニシティ / アメリカ化 / アイデンティティ |
Research Abstract |
吉田は、北カリフォルニア地域の北加基督教会同盟青年部大会による帰米二世への対応について分析し、同団体が帰米青年部を設立するに至った経緯などから、帰米二世が1930年代の日系コミュニティに大きな衝撃を与え、彼等の受け入れが火急の課題であったことが明らかにした。物部は、戦間期に日本を訪れた北米・ハワイの見学団について考察することを目的とし、今回の報告ではハワイ見学団の4つの分類体系(宗教関係、学校関係、県人会、他団体)を提示した。小島は、浄土真宗本願寺派が行った日系二世への教育的対応についての考察がなされた。2012年3月2日から11日にかけて実施された現地調査の成果に基づいた報告では、北米開教財団による二世の留学支援の実態が明らかとなっただけでなく、財団が二世越境教育に果たした役割と成果についても検討を加えた。竹本は、1930年代カリフォルニア州の日本語学園協会による日本語学校統制の経緯と実態について、当時の協会関連資料や新聞記事の分析および現地調査の成果をもとに分析し、報告者の調査によると、カリフォルニア州内における国語教育の目的や内容は、地域(北加、中加、南加)によって差異があり、特に南加日本語学園協会の動きは他地域と比べて異彩を放っていたことを明らかにした。本多は、日系仏教会の日曜学校における二世を対象とした宗教(仏教)教育について明らかにするため、1930年代のシアトル仏教会日曜学校の実態と教育実践について分析し、シアトル別院での資料収集や聞き取り調査、ならびにDr. Magdenへのインタビュー調査にもとづいた報告により、日曜学校における教育の送り手と受け手の構造、二世を構成する年齢層、教師陣の多様性、仏教青年会と日曜学校との連携について明らかにした。 研究チームとして、地域間、世代間,宗教間を変数として,「越境」性における特徴を明らかにすることと全員で確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
吉田は北カリフォルニア地域のキリスト教と日系二世教育活動を、北加基督教会同盟青年部大会について、物部は戦間期に日本を訪れた北米・ハワイの見学団の中でも宗教関係の団体について、小島は浄土真宗本願寺派北米開教財団による二世留学支援について、竹本は1930年代カリフォルニア州の日本語学園協会による日本語学校統制と宗教系学校との関係について、本多は1930年代のシアトル仏教会日曜学校の実態と教育実践についてそれぞれ事例を深めるための現地調査と、それに基づく研究成果発表を行っている。 それゆえ、研究は予定通り進んでいると判断している。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究プロジェクトは順調に進んでいるとの認識を持っているので、本年度も、各担当者が責任を全うしていただけるように、役割分担を周知徹底するつもりである。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は研究プロジェクトの最終年度にあたるので、昨年度分を残した物部氏以外は、予算配分を行わない。手元にある予算は研究プロジェクトの取り纏めを行うための研究合宿や研究会の開催その他のために使用する。
|