2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23531028
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
吉田 亮 同志社大学, 社会学部, 教授 (00220690)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
物部 ひろみ 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (10434680)
小島 勝 龍谷大学, 文学部, 教授 (40140123)
竹本 英代 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (50294484)
本多 彩 兵庫大学, 生涯福祉学部, 講師 (90584798)
|
Keywords | 日系二世 / 宗教 / アメリカ化 / 民族化 / キリスト教 / 仏教 |
Research Abstract |
アメリカ化教育については、カリフォルニア日本人キリスト教会は、二世団体(Young People's Christian Conference)を組織・支援し、現地キリスト教界の思潮である「道徳的再武装」論を踏まえた、日系キリスト教の構築に向けた企画を展開した(吉田)。同地域の仏教会は、二世開教使を活用し、仏教青年会に二世を組織化し、アメリカ市民育成のための企画を展開した(小島)。ワシントン州でも、日曜学校の規模拡大・充実を進め、様々な教材を開発し、二世にアメリカ市民の理念を教え、卒業生が仏教青年会に繋がるような一貫教育を行った(本多)。日本語学校においても、1940年にはアメリカ主義が強調されるようになっていた(竹本)。 道徳教育については、カリフォルニアのキリスト教会は、日米両国家のファシズム期において、「道徳的再武装」道徳を強調し、二世に対し、日系家族の結束を教える企画をおこなった。仏教会は、同時期にあって、キリスト教会同様、家族道徳の強調が見られる。 越境教育については、カリフォルニアのキリスト教会は、二世組織を介して、中国系との交流を進める一方で、日本の大陸政策を支持する一世との絆を強調するダブルスタンダードの傾向が見られる。仏教会は、同地域及びワシントン州において、北米仏教会と日本の本山間での、日曜学校教材開発における連携がみられる。日本語学校においては、日本人移民・日系人の諸団体との連携強化をはかりながら、日米両教材を組み合わせる努力が企画されていた。また、ハワイにおいては、1930年代末期において、宗教団体を中心に、親の祖国への見学旅行が流行し、体験を伴う日本ブームが二世内にも浸透していたことが見て取れる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、吉田が体調不良の為に現地調査ができなかったため、研究プロジェクトを終了できなかった。その点以外は予定通りに進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究延長をいただき、次年度中に吉田が現地調査を終え、研究プロジェクトとしてその成果をまとめるための研究合宿を行い、総括内容をもとに、最終報告書の作成と、研究書出版に向けて進めていく予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度、吉田が体調不良の為、現地調査を実施できなかったため、本年度中に研究を終了できなかった。貴会に、研究期間延長をお願いし、次年度中に、吉田が現地調査を終え、研究プロジェクトとしての研究成果を確認するための研究合宿を実施し、研究報告書をまとめる予定である。尚、その上で、別基金での、研究書の刊行も予定している。 本年実施できなかった、吉田の現地調査、資料収集、研究合宿等に、研究費を使用する。
|