2011 Fiscal Year Research-status Report
観察・コミュニケーション能力の育成を目指した保幼小連携科学教育カリキュラムの開発
Project/Area Number |
23531092
|
Research Institution | Osaka Ohtani University |
Principal Investigator |
長瀬 美子 大阪大谷大学, 教育福祉学部, 教授 (50247889)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 卓也 大阪大谷大学, 教育福祉学部, 准教授 (50411484)
田中 伸 大阪大谷大学, 教育福祉学部, 講師 (70508465)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 国際情報交流 |
Research Abstract |
1.理論研究 幼児期の自然認識・社会認識に関する先進的理論研究の関連文献、およびカリキュラム開発に関する文献の収集を行い、分析・検討した。中でも、先進的研究を推進しているアメリカ合衆国、カリフォルニア大学バークレー校のローレンス・ホール・オブ・サイエンスを訪問し、幼児期の認識研究、幼児教育カリキュラム研究の資料を収集するとともに、中心的研究・実践者との情報交流・ディスカッションを行い、到達点と研究課題を明らかにすることができた。そのディスカッション・検討の過程で、アメリカ合衆国とは異なるわが国幼児教育の特徴が明確になり、その差異性を生かした幼児教育カリキュラムの共同開発の視点が明らかになった。2.保育実践実態調査 幼児期における「観察」「コミュニケーション」技能の発達過程を明確にすることを目的として、幼稚園において保育実践の実態調査を実施した。その際、3歳児、4歳児、5歳児に対して、同一の教材を用いて保育を行い、「観察」「コミュニケーション」技能に関わる年齢特性とその発達を明らかにすることができた。この成果は、次年度に評価指標を確定する際の仮説となり、目標・評価基準の明確なカリキュラムの作成に向けて、大きな前進となった。3.理論・実践交流 資料収集を目的としてカリフォルニア大学バークレー校のローレンス・ホール・オブ・サイエンスを訪問した際、中心的研究・実践者との間で活発な情報交流・ディスカッションができたことをもとに、共同研究の体制を築きつつあり、両国での成果の交流と課題の明確化が一層進行した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究はおおむね計画通りに進行していると考える。その理由は以下の通りである。1.文献・資料収集ならびに理論研究が進んだこと:先進的研究を推進しているアメリカ合衆国、カリフォルニア大学バークレー校のローレンス・ホール・オブ・サイエンスを訪問し、幼児期の認識研究、幼児教育カリキュラム研究の資料を収集でき、それに基づいた理論研究を行うことができたため。2.保育実践実態調査を実施したこと:協力幼稚園において、3~5歳児の保育実践を定期的に観察・調査することで、「観察」「コミュニケーション」技能の系統性と発展過程を明らかにすることができたため。3.理論・実践交流を活発に行ったこと:資料収集を目的としてカリフォルニア大学バークレー校のローレンス・ホール・オブ・サイエンスを訪問した際、中心的研究・実践者との間で活発な情報交流・ディスカッションができたことをもとに、共同研究の体制を築きつつあり、両国での成果の交流と課題の明確化が一層進行したため。この成果はローレンス・ホール・オブ・サイエンスの協力の下、FOSS(FULL OPTION SCIENCE SYSTEM)のNEWSLETTERにて発表予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
自然認識・社会認識を促進する幼児教育カリキュラムを次年度策定することに向けて、幼児の認知研究とその測定方法の開発研究を行う。1.認知プロセスの明確化 協力幼稚園での保育実態観察を通して、幼児の認知プロセスを「観察」「コミュニケーション」能力の視点から分析する。内外の幼児の認知研究の研究者との意見交換を通して、認知発達のプロセスを明らかにした上で、技能獲得志向型の保育構造について、その有効性を検証する。2.測定方法の開発 これまでの理論研究(認知研究)と実態観察を通して得られた知見をもとに、幼児期の子どもたちの認知を測定する方法について開発し、指標化する。測定方法ならびに指標については学会及び国際会議にて発表する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度については、研究代表者の所属機関における職務の多忙化があり、アメリカ合衆国の研究機関を訪問しての資料収集・ディスカッションを実施することができなかった。そのために残額が生じた。次年度は、十分な調整を図り、適正な役割分担の下、以下のような研究費を計画的な使用する。・認知発達のプロセスを実証的に明らかにするために、保育実践の記録・分析のための機器やソフトを購入する。・調査結果の分析、整理のために必要な消耗品を購入する。・資料収集、学会発表、意見交流のために旅費として使用する。・資料整理、実践実態の分析のために人件費として使用する。
|