2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23531093
|
Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
藤原 瑞穂 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 准教授 (90269853)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 薫夫 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (60173613)
前田 潔 神戸学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80116251)
|
Keywords | 学習 / 障害 / 高齢者 |
Research Abstract |
本研究は,障害をもつ高齢者の学習支援プログラムを開発することを目的としている.本年度は,まず高齢者大学受講者の学習ニーズや学習経験に関する調査(有効回答数1491通)から,カリキュラム・プログラムづくりに関する知見を得た.調査対象となった高齢者大学は高齢者自身が運営するNPO法人で,行政の枠にとらわれない新しい試みが内包されていた.学習ニーズでは歴史関連の希望率が高く,史跡めぐり,健康や経済,こころ,旅行に関するニーズも高かった.過去10年間の意識変化では,「新しいことにチャレンジしたい」「自分の好きなことに時間を使いたい」が高まっているようであった. 次に,デーサービスを利用する障害をもつ高齢者5名を対象に学習支援プログラムを作成した.学習支援は継続型,新規開拓型の2つに分かれた.継続型は,これまで行ってきた学習活動を継続するもので,上肢機能や歩行などの障害を乗り越えあるいは工夫をし,自己効力感を高め,取り組むものであった.新規開拓タイプは,新しいことにチャレンジしたいというもので,多くは先輩障害者が生き生きと努力して取り組んでいる姿をみて,その活動を自身のリハビリテーションとして意味づけられたものであった.プログラムの作成にあたっては,個別のニーズの把握,介護保険サービスでの学習支援プログラムの運用,地域生活における展開という3点が課題となった.個別のニーズ把握は,運動機能症障害,失語症,合併症の管理などの医療的ニーズが(強く)存在する状況で,それを踏まえた自己実現にむけての学習ニーズを引き出していくための方法と環境整備が必要であった.介護保険サービスには運営上の制約があり,個々の事例にそったプログラムづくりが課題となった.さらに学習の経過や成果を実際の地域生活のなかで実感するための仕掛けがあることと,人々との交流が積極的に行われることが,継続的な動機づけとなっていた.
|