2013 Fiscal Year Annual Research Report
社会的困難の集中する地域における若年者の移行過程と自立支援に関する実証的研究
Project/Area Number |
23531102
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
木戸口 正宏 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (90405093)
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Keywords | 教育学 / 自立支援 / 移行研究 / 格差・貧困 / 若者・青年研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は、若年者が「学校から社会へ」の移行過程において直面するさまざまな課題や困難を見通した上で、彼らの複雑で長期的な移行を支えうる教育実践・自立支援のあり方を構想することにある。2013年度は、以下の研究成果を得ることができた。 1、釧路市の若年労働市場の動向について、引き続き最新の資料の収集・分析を行った。また、大学生へのアンケート・レポート等に基づき、非正規雇用労働の状況について、一定の分析を行うとともに、大学生を中心とする若年者支援の課題について、一定の提言を行った。 2、前年度に引き続き「若年者の教育・職業の移行過程とキャリア形成に関するコーホート調査」に研究分担者として参加し、若年者の移行過程に関する質的調査(聞き取り調査)の分析を担当し、一定の知見を得ることができた。 3、同じく、前年度に引き続き、「若者支援政策の評価枠組み構築に向けた日欧比較研究」に研究分担者として参加し、ヨーロッパ諸国における若者支援の現状と課題、およびそれらの理論的背景としての「社会的教育学」について、一定の知見を得ることができた。特に今年度は、イギリス・フィンランドなど、多様で広範な若者支援の活動・政策が展開されている地域を歴訪し、それらの地域における理論的・政策的・実践的な蓄積と現状について分析・検討する機会を得ることができたことが大きな成果であった。 4、東京都立大学/首都大学東京「高卒者の進路動向に関する調査」グループによる、高卒者に対する経年的な聞き取り調査の分析を行い、大都市圏における、若者の「学校から仕事へ」の移行過程について、一定の類型化を試みた。また分析作業を通じて、現代の若者にとって「大人になる」ことの意味やその実相について、内外の先行研究の動向を踏まえつつ、一定の理論的・実証的な検討と、新たな理論的パースペクティブ構築に向けた問題提起を行った。
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