2011 Fiscal Year Research-status Report
途上国の中等学校等の多様化と正規性・非正規性に関する国際比較研究
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23531118
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉本 均 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (50211983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南部 広孝 京都大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (70301306)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 非正規学校 / オルタナティブ・スクール / 無認可学校 / 進学資格 / インド / 中国 |
Research Abstract |
(1)教育の正規性・非正規性についての基礎情報として、新制度論などのフレームワークに基づき概念定義を行い、比較分析のフレームワークの設定を検討した。教育の正規性・非正規性に関連した概念規定とフレームワーク理論に関する文献調査、データベース、インターネット等による情報収集を行った。(2) 教育の正規性・非正規性に関するシステムの実態教育の正規・非正規の学校の各国・地域における実態について調べた。それぞれの分担国・地域において正規とされる学校、非正規とされる学校にはどのようなものがあるか、それらを規定するメカニズム(進学メカニズム、生徒の出身階層、授業料負担、補助金受給状況、卒業後の進路など)を現地調査によって調べる。平成23年度の現地調査を、中南米地域(ペルー)、大洋州(ニュージーランド)、東アジア(中国)において実施した。(3)打ち合わせ研究会の開催京都大学において2回、研究分担者、連携研究者、研究協力者を集めた打ち合わせ研究会を開催した。基本的情報の交換、調査のフレームワークと比較法の手続きの共有について確認した。 その結果、非正規学校の形態、規模、運営母体、教育段階、進学メカニズムなどには、国によって大きな違いがあることが確認された。南アジア諸国では、公教育の不備に対する補完作用、東アジア諸国では人口移動に対する非公式の対応、中南米や大洋州では公的な教育理念からの逸脱する児童・生徒への対応という側面が強調されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)教育の正規性・非正規性についての概念定義や、比較分析のフレームワークの設定については、さらなる情報の収集や打ち合わせ会議による検討が必要である。(2)非正規学校やオルタナティブ・スクールについての現地調査は順調に進んでいる。本科研の執行による調査以外にも、共同研究者のそれぞれの努力において、各国の多様な状況に関するデータは集まりつつあるが、それらの整理・統合の努力が必要となる。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)教育の正規性・非正規性についての概念定義や、比較分析のフレームワークの設定については、さらなる情報の収集や打ち合わせ会議による検討が必要である。(2)非正規学校やオルタナティブ・スクールについての現地調査を、本科研やその他の資金によって推進し、より多様な学校の実態について、全体像を得るように努力する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度においては、教育の正規性・非正規性についての概念定義や、比較分析のフレームワークの設定については、さらなる情報の収集を行う。現地調査については、一般的に最も多様な非正規学校の展開が見られる南アジア諸国(インド、バングラデシュ、ネパール)、について優先的に調査を進める。またこれまで殆ど調査が行われてこなかった大洋州(フィジーなど)や中南米についても調査を進める。本科研によって得られた成果について、比較教育学会、日本教育学会などで発表、報告を行う。
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