2013 Fiscal Year Annual Research Report
途上国の中等学校等の多様化と正規性・非正規性に関する国際比較研究
Project/Area Number |
23531118
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉本 均 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (50211983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南部 広孝 京都大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (70301306)
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Keywords | 学校の正規性 / 非正規学校 / 学校接続 / Low Fee Private / 農民工学校 / オルターナティブ学校 / 認可学校 / 一条校 |
Research Abstract |
途上国には正規学校から非正規学校まで多様な学校群があり、連続性を持った教育体系を形成しているが、その場合、各国における正規性とは何か、その概念を進学要件や補助金受給要件を手掛かりに分析・比較を行った。また、こうした非正規学校群はどのような理由から利用され、安定して存続している場合には、それを支えているメカニズムとはどのようなものかについての考察を行った。 最終年度の現地調査としては7月にケニア(杉本)、9月にメキシコ(櫻井)、同じく9月に中国(南部)の非正規学校、低授業料私立学校についての調査を行った。その結果、本研究において、非正規学校の主な存在理由を以下の4点、すなわち、(1)政治的理由、(2)宗教的理由、(3) 経済的理由、(4) 移民の問題、として整理した。また、非正規学校が正規の学校教育体系に接続するメカニズムについては、本報告書でカバーされた事例において、大きく3つに分類されることが明らかとなった。すなわち、(1)近い関係にある正規学校と非正規学校の間で、登録や卒業証が非公式に融通されるもの、(2)政府からは無認可ではあるが、国家試験の受験資格がある場合、その成績や合格によって正規性を獲得する場合、(3)中国のように高等教育卒業時点においても国家試験によって、過去の学歴にかかわらず大学卒業資格が得られるケース、である。 2013年7月の日本比較教育学会(上智大学)において、杉本は課題研究II、「正規・非正規教育の接点(グレイゾーン)に関する国際動向」を本科研の成果報告として企画し、科研メンバーの小原優貴(早稲田大学研究員)がインドの事例を、植村広美(名古屋経営短期大学)が中国の農民工学校の事例を報告した。 また、2014年3月には、アジア教育研究会の機関誌『アジア教育研究報告』第13号を、本科研の特集号として刊行した。
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