2011 Fiscal Year Research-status Report
アメリカ・カナダ社会科における多文化教師教育に関する研究
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23531160
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
桐谷 正信 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (90302504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪田 益美 東北学院大学, 教養学部, 講師 (20616495)
宮崎 沙織 筑波大学, 人間総合科学研究科(系), 特任助教 (90591470)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 多文化教育 / 教師教育 / アメリカ / カナダ / 社会科 / シティズンシップ |
Research Abstract |
アメリカ社会科における教師教育のスタンダード,カリキュラム,教材などを収集するために現地調査を行った。現地にて基礎調査を行い,社会科教育,歴史教育・公民教育・環境教育における多文化教師教育のフレームワーク,カリキュラム,教材を収集する。アメリカ・カナダの多文化教師教育の専門家から両国の研究状況についての意見を聞くとともに,本研究計画のレビューを受け,カリキュラムや授業実践を分析する視点を抽出する。具体的には,アメリカではカリフォルニア州教育局・カリフォルニア州立大学サンフランシスコ校においてレビューを受けた。カリフォルニア州では,リカレントによる教師教育が展開されており,小・中学校教師の多くはカリフォルニア州立大学教育学部で教師教育を受けている。そのため,カリフォルニア州立大学では,教師教育の多様なプログラムを用意しているが,その中でも,多文化教育に関するプログラムが多い。それは,同大学が全米で最初にethnic studiesの学部を設置した大学であり,カリフォルニア州,特にサンフランシスコにおける文化的多様性への対応である。大学の至る所にマルコムXなど,各エスニック集団の著名な人物の大きな絵画が掲げられており,常に多文化教育を意識する環境を整えていると同時に,学校環境全体を多文化化する重要性を学ぶ教材となっている。また,国内外におけるアメリカ及びカナダの多文化教師教育に関する基本文献,先行研究,実践事例報告を検索収集し,データベースの作成を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,本プフロジェクト研究の初年度であり,研究を展開するための基盤として,研究分担者と共同でアメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコで現地調査を行った。そこでの調査によって,当該地域の文化的多様性によって多文化教師教育の内実に大きく違いが生じることが明らかになり,今後の調査計画を策定するにあたり,非常に意味があった。日本で展開されている教員免許更新講習や教職大学院における現職教員の教師教育に,多文化教育を導入していく基本的視座を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に基づき,アメリカとカナダの両地域での調査を行い,より具体的な多文化教師教育のガイドライン,カリキュラム,教材,実践事例を収集する。また,アメリカとカナダにおける共通性と差異性をより明確にするために,他地域における調査を行うことを計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の今後の研究の推進方策に基づき,次年度の研究経費の60~70%を研究旅費として使用する。アメリカとカナダにおける補充調査のための研究経費と,本プロジェクトの研究成果の中間報告を国内の学術学会で行うためである。また,30~40%を物品費として使用する。収集してきた資料・データを整理するためのコンピュータの購入,研究成果の中間報告のための備品の購入,収集してきた映像の加工・保存のための備品の購入を予定している。
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Research Products
(5 results)