2013 Fiscal Year Annual Research Report
1920~1940年代の音楽科教育近代化過程に関する研究
Project/Area Number |
23531161
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
本多 佐保美 千葉大学, 教育学部, 教授 (90272294)
|
Keywords | 音楽教育実践史 / 教育学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、我が国の小学校音楽教育が唱歌教育から脱皮し、音楽科教育としての成立条件を整備していった1920~40年代の音楽教育の動向を、音楽科教育近代化の過程ととらえ、その近代化の過程の諸相を当時の各地域の社会状況や音楽文化史的状況をふまえながら明らかにすることである。 具体的には、次の3点に焦点化して研究を進めることとした。①長野県をフィールドとする事例研究の継続。これまでに行ってきた長野県飯田市および上田市における調査を継続し、各地域の学校がそれぞれの地域性の上に展開する学校音楽の諸状況を把握する。②中央(東京)における制度的動向の把握。東京音楽学校や日本教育音楽協会を中心に、当時の雑誌記事や周辺資料を探索する。③当時の音楽文化史的状況の把握を行う。具体的には、器楽教育を実施するために必要な楽器生産や販売状況の把握、また鑑賞教育を実施するために必要なSPレコード発行状況の把握等である。 平成25(2013)年度は、主として①に関して、継続的に研究会の開催と論文執筆を進めるとともに、長野県長野市の信濃教育会、および上田市の上田情報ライブラリーへの資料調査を行った。また、③に関して、当該時期の楽器生産や販売状況等の把握のための資料収集を目的として、静岡県浜松市楽器博物館への調査を実施した。 これまでの研究成果の集大成として、著書の刊行をめざし、論文を取りそろえて、研究成果公開のための科学研究費補助金の申請に至った。また、当時の音響像を提示するために必須な、当時の鑑賞教材・歌唱教材のCD録音・作成を進め、刊行物に付属するCD原盤の完成をめざし、とりまとめを行った。
|