2012 Fiscal Year Research-status Report
知識再構成型理科授業システムの構築による児童・生徒における自己調整学習の実現
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23531166
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
森本 信也 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (90110733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 圭司 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (00224501)
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Keywords | 知識再構成型の理科授業 |
Research Abstract |
小学校及び中学校理科授業において、対話型の授業システムの構築とその評価方法について研究を進めた。 対話型の理科授業システムを構築し、これを実際に実施した。その結果、小学校中学校共に子どもにおける科学概念の習得とその活用に関して、高い定着度を得ることができた。特に、パフォーマンス・アセスメントの意味を子どもに理解させ、これを基に授業を進めることが効果を向上させる上で、重要であった。また、教師においても子どものパフォーマンスに従って、授業の内容を修正しながら進めることで、子どもの学習状況に即した指導を進める上で効果があった。 授業の評価方法は基本的に、目標準拠評価を参照しつつ、パフォーマンス・アセスメントに基づく子ども間、子どもと教師間による相互アプロプリエ-ションの進捗と深化を見ることにより、上述のシステムが円滑に進行している指標として捉えることができた。子どもが常に知識再構成を図ると同時に、その支援を図る教師による指導システムについても再構成が図られていった。 こうした子どもへの理科学習支援システムの構築は、子どもへの情報伝達を目論むのではなく、彼らにおける知識構築を促し、学習への積極的な動機付けを図ることができた。この学習への動機付け、言い換えれば学習意欲の向上を評価するための方略とその評価の視点が次の研究上の課題となる。その意味で、授業システムの構築、その評価指標の分析、さらには学習意欲向上までをも視野に入れることにより、知識再構成型の理科授業システムは完成すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自己調整学習を理科授業において具体的に実現させるための方略の分析が本研究の目的であった。具体的に言えば、こうした状況を実現させるための学習環境の整備をすることである。学習環境を子どもの学習状況の分析、これに対応した指導方略及びその評価システムの分析と捉え、試行としての理科授業においては実現することができた。この方略をさらに、小学校、中学校のすべての学年に拡大させ、かつ単元を増やすことにより、構築しつつあるシステムの活用可能性は深化する。
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Strategy for Future Research Activity |
知識再構成型の理科授業を進める上において、子どもの学習意欲の向上も図る指導上の方略とその評価方法について検討する。併せて、その際の子どもにおける知識の習得や活用状況との関連性についても精査する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「該当なし」
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