2013 Fiscal Year Research-status Report
知識再構成型理科授業システムの構築による児童・生徒における自己調整学習の実現
Project/Area Number |
23531166
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
森本 信也 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (90110733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 圭司 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (00224501)
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Keywords | 学習の可視可 / 対話的な理科授業 / パフォーマンス・アセスメント / 科学概念構築 / ルーブリック |
Research Abstract |
・平成23年度において精緻化された方法により、小学校第5、6学年の理科授業を進め、児童の学習状況を精査した。特に、パフォーマンス・アセスメントを中心とした理科授業を進めることにより、児童の学習の進捗状況を詳細に分析することができた。電子黒板上での児童相互及び児童と教師との対話的な授業の実現がこうした状況の再現に有用であった。さらに、本年度はこうした対話的な授業をより円滑に進めるのに、児童のグループごとに電子黒板との通信用ツールを配布した。この活用によりここでのコミュニケーションが従前に比べ、より活発化して行われ、児童による学習状況の表出であるパフォーマンスの質的向上に寄与することが明らかになった。 ・ここで開発された理科授業システムの継続的な使用を可能にするためには、児童によるパフォーマンスを基軸とした指導計画案の蓄積とその継承が有用であることが明らかとなった。単元ごとにこうした蓄積を図ることにより、再度授業を計画する際に、児童のパフォーマンスを見ることにより、教授者にとって授業全体の見通しが明瞭になり、実践レベルでの知識再構成型の理科授業のデザインを可能にすることも明らかとなった。 ・知識再構成型の理科授業を進めるための学習ガイドに示すべき情報群として、児童のパフォーマンス、これをアセスメントするためのルーブリック、そしてパフォーマンスを表われを促進する教材に関する情報の掲載が有用であることが明らかとなった。中学校での研究を進めるためにさらに、精査していくことが必要であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は研究の3年目にあたる。研究を始めた平成23年度で構築してきた電子黒板を中心とした知識再構成型理科授業システムに基づく、授業実践の2年目である。24年度の成果を踏襲し、かつパフォ-マンスを中心とした分析の視点も加味することにより、順調に研究を進めることができた。この方法は、次年度の中学校における理科授業においても十分活用できることが予測可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究4年目にあたる次年度においては、電子黒板を中心とした知識再構成型理科授業システムに基づく理科授業を中学校において活用可能性を検証する。同時に、事務教育段階における、こうした視点に基づく理科授業支援システムについての知見の総括も進める必要がある。研究最終年度である27年度の研究を円滑に推進させるために、この視点を視野に入れた研究を進める必要がある。
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