2012 Fiscal Year Research-status Report
「知識基盤社会」に至る国語科の転換とそれを踏まえた言語活動の授業作りに関する研究
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23531167
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
高木 まさき 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (40206727)
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Keywords | 言語活動 / 国語 / 知識基盤社会 / 横浜スタンダード |
Research Abstract |
本研究は、大きく二点の研究目的を設定している。(1)1980年前後から「知識基盤社会」と言われる今日に至るまでの社会上・思想上の大転換の中に国語教育の諸問題を置き直すことで、国語科教育に生じていた転換の意味を明らかにする。(2)それを踏まえ、「言語活動」の意味を問い直し、その指導の在り方を筆者が開発中の方法(指導事項の「分割」「分析」、及び発問の構造化など)と「横浜スタンダード」などと連動させた教員養成・教員研修に資する学習プログラムとして提示する。 上記目的に迫るため、本年度は、「知識基盤社会」関連する文献を探り、それらを収集することを通して、「知識基盤社会」の意味するところを探った。「知識基盤社会」は中教審答申では、その特質として「①知識には国境がなく、グローバル化が一層進む、②知識は日進月歩であり、競争と技術革新が絶え間なく生まれる、③知識の進展は旧来のパラダイムの転換を伴うことが多く、幅広い知識と柔軟な思考力に基づく判断が一層重要になる、④性別や年齢を問わず参画することが促進される」なとが示されているが、これらは「知識基盤社会」の謂わば様相であって内実とは言えない。本研究では、その点に関して、①情報化(デジタルコンテンツやシステム開発だけでなく、製造、流通自体が情報によりコントロールされている状態)、②グローバル化(国際化は市場と市場が独立性の高いまま交流をもつが、グローバル化は市場が一つという状態)、規律訓練型社会(規律の内面化)から管理型社会(ICTなどによる管理)への移行などの特徴があると考え、現在文章化を進めている。 なお平成25年4月1日に、これまでの研究成果を『国語科における言語活動の授業作り入門』(教育開発研究所)にまとめて刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的のうち、(2)として掲げた、「「言語活動」の意味を問い直し、その指導の在り方を筆者が開発中の方法(指導事項の「分割」「分析」、及び発問の構造化など)と「横浜スタンダード」などと連動させた教員養成・教員研修に資する学習プログラムとして提示する。」については、理論や実践分析等については、成果をまとめるとともに、教員免許更新講習や各種研修会等でワークショップなどを通して検証及び普及に努めてきた。また「横浜スタンダード」については、校務と関連させながら、中学校版の案の策定や小学校版改訂に着手できた。 目的のうちの(1)「1980年前後から「知識基盤社会」と言われる今日に至るまでの社会上・思想上の大転換の中に国語教育の諸問題を置き直すことで、国語科教育に生じていた転換の意味を明らかにする。」については、研究の順序がやや違った面はあるが、80年代以降の転換について、社会や経済、文化などの観点から、俯瞰的な見通しを描き出すことがだいぶできてきた。校務多忙につき、資料の読み込みや収集に足りない点もあるが、概ね順調に推移していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
目的に照らして、まず、これまでと同様「横浜スタンダード」等の質的向上を引き続き行っていく。この作業は常に見直しが求められるため、継続的に実施していく。 また「指導事項の『分割』『分析』」については、書籍として刊行されたので、それに基づく実践事例等の収集とその効果を検証することがとの関連性を検討すること。これらについては、各種講習会等で、これまでと同様、ワークショップなどを通して進めていく。 また1980年代から「知識基盤社会」といわれる今日に至るまでの社会上、思想上の大転換に関する理論的な研究を進めていく。大きな俯瞰的の見通しは立てたが、十分に調べ尽くしたとは言えず、足りないところを補いつつ、俯瞰図の制度を高めていくことに務める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(5 results)