2013 Fiscal Year Research-status Report
「知識基盤社会」に至る国語科の転換とそれを踏まえた言語活動の授業作りに関する研究
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23531167
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
高木 まさき 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (40206727)
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Keywords | 知識基盤社会 / 言語活動 / 横浜スタンダード / 言語活動 / 国語科教育 |
Research Abstract |
本研究は、大きく二つの目的をもっている。(1)1980年前後から「知識基盤社会」と言われる今日に至るまでの社会上・思想上の大転換の中に国語教育の諸問題を置き直すことで、国語科教育に生じていた転換の意味を明らかにすること。(2)それを踏まえ、「言語活動」の意味を問い直し、その指導の在り方を筆者が開発した考え方・方法(指導事項の「分割」と「分析」等)と教員養成のための「横浜スタンダード」などと連動させた教員養成・教員研修に資する学習プログラムとして提示すること。 上記に目的に照らして、今年度は、「知識基盤社会」に関連する文献を引き続き収集するとともに、以下のような検討を行った。 「知識基盤社会」の特徴を三つの観点、すなわちグローバル化、情報・知識、規律訓練社会から管理社会へ、から考察し、その特徴を明らかにするとともに、英語教育、ICT教育、国語科における実践的な課題等を検証した。 国語科の「言語活動例」として示されている新聞活用について、言語獲得のための「富士山モデル」に基づきながら、新聞などの重要性を論じた。 さらに「知識基盤社会」において、その特徴を踏まえながら、言語活動を充実させることの意義を説いた。 なお「横浜スタンダード」については、学部内の共同研究として、横浜市教育委員会指導主事等からも意見聴取しながら、中学校版の試案などを作成するなどした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のうち、(1)については、まだ不十分な点もあるが、「知識基盤社会」の大まかな特徴については、暫定的ではあるが論文としてまとめることができた。また(2)の「言語活動」の意味を問い直しとその指導の在り方等に関しては、著書にまとめ、それをもとに各種研修会や講演会、免許更新講習等の場に於いて、積極的に提示し、残された課題などについて検証した。また「横浜スタンダード」については、校務も絡めながら、中学校版の試案などを作成することができた。 以上のように、校務多忙の中であったが、一定の成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
「知識基盤社会」の大枠についてはある程度整理できたので、今後は国語教育史をその観点から再検証することに比重を移していく。 また「指導事項の分割と分析」に関しては、著書として刊行したが、今後は、教材研究の方法として、具体的に活用しつつ、その有効性を検証していきたい。 「横浜スタンダード」については、小学校改訂版、中学校暫定版などの精度を高め、それと上記「指導事項の分割と分析」との関連性について考察を加えていくことになる。
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Research Products
(9 results)