2013 Fiscal Year Annual Research Report
低学年児童を対象とした小集団における文字学習支援方法の開発
Project/Area Number |
23531172
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
大庭 重治 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (10194276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葉石 光一 埼玉大学, 教育学部, 教授 (50298402)
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Keywords | 書字 / 学習支援 / 小集団 / 特別な教育的ニーズ / 児童 |
Research Abstract |
本研究の目的は,読み書きを中心とした基礎的な学習に対する苦手意識が強く,教室における一斉学習だけでは学習が困難な児童を対象として,子ども同士の相互交渉が容易であり,かつ共同学習の機会を計画的に組織できる小集団学習場面を設定し,その場を活用した学習支援方法を実践的な観点から検討することであった。 そこで,平成25年度は,従来実施してきた近隣の小学校における放課後学習会を継続して実施し,文字学習の初期において学習に困難を示す児童のための,小集団学習場面を活用した具体的な支援方法を検討した。特に今年度は,自尊感情や自己肯定感に配慮した小集団での学習支援方法について検討した。その結果,能力差や年齢差のある児童が含まれる小集団の中に,補助支援者を児童と近い立場で活動する協同活動者として参加させることにより,学習につまずいた時の支援の依頼方法や,逆に支援の提供方法を児童が主体的に学ぶ機会を多く設定できる可能性が示された。 また,これらの一連の研究過程を通して,特別支援教育を専攻する大学院生に対して,小集団を活用した学習支援方法を習得させるための学習プログラムについて検討した。これらの成果は,今後の特別支援学級や通級等による指導場面において,担任や支援員が授業場面において果たすべきそれぞれの役割や,特別な教育的支援を必要とする児童の支援計画を作成する際の手続きに応用していくことができる。具体的なプログラムについては,その成果の検証をさらに継続し,研究代表者が開設するホームページ上において随時公開する予定である。 なお,今年度は文字学習の支援を中心に検討したが,今後は学習の基礎となる算数やコミュニケーションに関する支援についても合わせて検討していくことが必要である。
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Research Products
(5 results)