2013 Fiscal Year Annual Research Report
道徳的シティズンシップ育成のためのコミュニティ参画型教育の政策組織に関する研究
Project/Area Number |
23531258
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
伴 恒信 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (70173119)
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Keywords | シティズンシップ教育 / 道徳教育 / 民主主義 |
Research Abstract |
平成23年度-25年度科学研究助成金研究課題「道徳的シティズンシップ育成のためのコミュニティ参画型教育の政策組織に関する研究」において、これまでEUにおける国民国家の枠を越えたヨーロッパ市民という新たな市民像に基づくシティズンシップ教育について、EU本部はじめ種々の関係機関や各国代表との情報交換を行い、その方向性や実情の調査を実施してきた。しかしそうした調査の過程で、ヨーロッパにおける移民問題の実情を踏まえたシティズンシップをもっとグローバルな視点から把握する研究上の必要性が浮上してきた。実際、ヨーロッパ先進諸国においては、EUを構成するヨーロッパ圏のみならず、イスラム圏やアジア、社会主義圏からの移民の流入が激しく、宗教信条や生活意識の違いによるヨーロッパ地域住民と移民との軋轢緊張が頂点に達してきている。 こうした状況に鑑み、イギリスのオックスフォード大学に本拠を置く学際学術研究国際機構が2nd Global Conference on The Citizen in the 21st Century(21世紀における市民に関する第2回世界会議)を2013年11月にアテネで開催するとの関係者からの勧めを受けて、同会議に出席ならびに発表するとともに各国の研究者と意見交換を行った。また、その会議と呼応するようにハーグで開催されたヨーロッパ・シティズンシップ教育国際会議では、まさに報告者の研究課題そのものでもあるEUの民主主義の発展にシティズンシップ教育が現在から将来に向けて如何に貢献していけるかが論議の焦点となって、大いなる示唆を受けた。 2014年3月にはトロントで開催された国際比較教育学会においては、これまでの研究から得られた成果を一つの概念的図式にまとめ上げて研究報告を行った。多くの時間を割いた熱心な論議が行われ、極めて好意的な評価が得られた。
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