2011 Fiscal Year Research-status Report
不登校を伴う発達障害のある子どもの心理行動特性及び支援体制に関する実証的研究
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23531293
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
武田 鉄郎 和歌山大学, 教育学部, 教授 (50280574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西牧 謙吾 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, その他部局等, その他 (50371711)
小野 次朗 和歌山大学, 教育学部, 教授 (20214182)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 不登校 / 発達障害 / CBCL / マイクロミニ型アクティブグラフ |
Research Abstract |
高機能広汎性発達障害で不登校等の二次障害により心身症や不安障害、適応障害等の診断にて,小児科,児童精神科に入院し,特別支援学校(病弱)に在籍する児童生徒が増加しており,その対応が大きな教育の課題となっている。そこで本研究では、「情緒や行動の包括的な質問紙CBCL(=Child Behavior Checklist)等で親,教師,本人の三者の立場から多面的に情緒や行動を評価・検討し,3者間のずれ,プロフィールの特徴を解析し,心理,行動特性を明らかにする」と共に、「身体症状が強い児童生徒、昼夜逆転等の生活リズムの崩れている児童生徒、多動な児童生徒を対象に腕時計型小型高感度加速度センサー(マイクロミニ型アクティブグラフ)による行動記録から生理学的にもその変容を明らかにするものである。 本年度は、特別支援学校、小学校において、計6事例に関して研究を進めてきた。事例の対象となったすべての子どもは、情緒と行動面で「臨床域」の状態を呈していた。身体症状が強い児童生徒、昼夜逆転等の生活リズムの崩れている児童生徒を対象に腕時計型小型高感度加速度センサー(マイクロミニ型アクティブグラフ)の活用し行動記録をとり、身体的活動量が1分間に300回以上になることが多く、注意散漫な状態等生理学的にその実態を明らかにした。 支援体制に関する実証的研究としては、学校内の支援体制や病院等学校外との連携一覧表を作成し、評価(実態把握)→支援サービスへのアクセス→指導・支援計画の作成・実施→再評価というサポートサイクルをA小学校においてモデル作りを行った。また、発達障害の子育て相談「ほっとルーム(武田鉄郎主催、月に1回3時間半)で毎回約20名の保護者の相談を受けることで学校への要望などを把握してきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究計画は、おおむね進展している。特別支援学校や小学校における事例研究はほぼ計画通り実施されている。また、不登校の生徒が1000人中300人在籍している定時制と単位制の両方の機能のある高等学校での学校適応に関する調査も事例研究と同時進行で行った。 また、学校内の支援体制構築に関する実証的研究として、学校内の支援体制や病院等学校外との連携一覧表を作成し、評価(実態把握)→支援サービスへのアクセス→指導・支援計画の作成・実施→再評価というサポートサイクルをA小学校においてモデル作りを行った。 全国病弱特別支援学校における適応障害を有する高機能広汎性発達障害の児童生徒の実態と支援に関する調査研究については、質問紙作成は終了しているものの、当初は、3月発送であったが、24年5月発送の予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策については、(1)全国病弱特別支援学校における適応障害を有する高機能広汎性発達障害の児童生徒の実態と支援に関する調査の分析、論文にまとめる。(2)事例研究による検証の継続を行う。CBCL等を使用して、引きこもり,不安の強さ、非行的、攻撃的行動など臨床域に至っているようなプロフィールの分析を通して、その特徴,例えば精神症状(不安感,緊張感,抑うつ感など)と身体症状(心理社会的因子による)の関連,不登校の直接の原因,経過等の分析を行い,その関連性を明らかにする。加えて、腕時計型小型高感度加速度センサー(マイクロミニ型アクティブグラフ)の活用により、生理学的側面からの分析を加え、行動変容を明らかにする。また、アクティファースト分析ソフトを用い、注意集中度、精神的疲労度を場面や時間ごとに分析し、これらの実態把握の分析をもとに、ストレスコーピングの柔軟性を題材にした自立活動を協力校である特別支援学校で実践する予定である。その成果も含め、「不登校を伴う高機能広汎性発達障害の児童生徒のストレス対処の特性と支援に関するガイドブック(試案)」をまとめ、その試案を関係機関に活用してもらい、最終年度に修正・完成させ出版する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
全国病弱特別支援学校における適応障害を有する高機能広汎性発達障害の児童生徒の実態と支援に関する調査の分析、論文にまとめ、引き続き、CBCL等を使用して、引きこもり,不安の強さ、非行的、攻撃的行動など臨床域に至っているようなプロフィールの分析を通して、その特徴,例えば精神症状(不安感,緊張感,抑うつ感など)と身体症状(心理社会的因子による)の関連,不登校の直接の原因,経過等の分析を事例を通して行い,その関連性を明らかにする。加えて、腕時計型小型高感度加速度センサー(マイクロミニ型アクティブグラフ)の活用により、生理学的側面からの分析を加え、行動変容を明らかにする。その成果も含め、「不登校を伴う高機能広汎性発達障害の児童生徒のストレス対処の特性と支援に関するガイドブック(試案)」をまとめ、その試案を関係機関に活用してもらい、最終年度に修正・完成させ出版する予定である。 また、支援モデル構築のための情報収集を行うために、国内調査と海外調査(オーストラリアニューサウスウエールズ州)の発達障害の子どもの支援体制の調査を行う。研究費の使用計画は、設備備品400千円、旅費500千円(国内旅費250千円、外国旅費250千円)、人件費・謝金等200千円、その他100千円の予定である。
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Research Products
(3 results)