2011 Fiscal Year Research-status Report
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23540044
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
中本 和典 山梨大学, 総合分析実験センター, 教授 (30342570)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 代数学 / 代数幾何学 / 不変式論 / 表現のモジュライ |
Research Abstract |
韓国Kyung Hee大学で行われた、第6回日中韓環論国際シンポジウムにて、"Topics on the moduli of representations of degree 2" というタイトルで講演を行った。2次表現の各鋳型に関する表現のモジュライと関連するトピックについて紹介した。 自由モノイドの2次表現の各鋳型のモジュライについて、複素数体上の代数的位相幾何的な構造を鳥居猛氏(岡山大学)とともに調べた。その結果については、"Topology of the moduli of representations of degree 2 for free monoids"(仮題)という論文でまとめる予定である。2次表現の各鋳型の表現のモジュライの構成についてまとめた"The moduli of representations of degree 2"(仮題)という論文とともに執筆中である。 また、面田康裕氏(明石高専)とともに、既約表現の特別なクラスであるthick, denseと呼ばれる表現について研究を進めた。特に、複素単純Lie群のthickな複素表現の分類が完成したのがここ最近の大きな成果である。今まで得られた結果をまとめて、論文を執筆する計画である。 さらに、奥山真吾氏(香川高専)とともに、行列の不変式環に関するポアンカレ級数を求めようと、共同でコンピュータを用いて計算中である。この結果についてもいずれ論文を執筆する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放物鋳型に対する表現のモジュライについては未着手ではあるが、その他のテーマについてはある程度の成果を得ている。 自由モノイドに対する複素数体上の2次表現のモジュライの代数的位相構造の記述については、鳥居猛氏(岡山大学)とともに主定理と思われる結果は得られており、現時点で論文にまとめる段階に来ている。 2次表現の各鋳型に対するモジュライの構成についても、論文を執筆中である。 また、既約表現の特別の場合である、「thick」「dense」と呼ばれるクラスの表現について、面田康裕氏(明石高専)との共同研究で、複素単純Lie群のthickな複素表現の分類が完成したのは予想外の成果であった。これらについても論文にまとめつつある。 以上のことから、当初の予定と優先順位を変更した箇所はあるものの、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の推進方策としておおまかに「成果を論文にまとめる」、「今までに得られた成果を公表・発信する」、「未着手の計画に取りかかる」の3点が挙げられる。 「成果を論文にまとめる」については、2次表現の各鋳型に対する表現のモジュライの構成、自由モノイドの2次表現の各鋳型のモジュライの複素数体上の代数的位相幾何的構造、thickな表現に関する結果、の3つを主に論文にまとめていく。 「今までに得られた成果を公表・発信する」については、論文公表とは別に、関連分野の研究者へ周知することは学問発展のために非常に大切であると考え、ドイツで開かれる「第15回多元環の表現論国際会議(ICRA 2012)」にて、発表する予定である。 「未着手の計画に取りかかる」については、放物鋳型に対する表現のモジュライの構成など、未着手の計画に取り組んでいく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
年度内に予算執行するより、一部次年度へ繰り越す方がかえって効率的な予算執行が可能となると考えた。具体的には、ドイツの国際会議に出席し講演の機会を設けることが、その分野での進展に寄与できると思われるため、海外出張旅費として予算執行を考えており、現時点で見積もり金額が未定で予想外の出費も有りうることから、次年度へ繰り越すことが妥当であると考えた。 海外出張旅費のほか、新しく未着手の計画に取り組むことで、必要な情報収集のための国内旅費や図書費として使用することを計画している。さらに、必要な知識の提供のため、他の研究者の招聘のための旅費として使用を予定している。
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Research Products
(3 results)