2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23540054
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
河田 成人 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (50195103)
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Keywords | Auslander-Reiten有向グラフ / 有限群の表現 |
Research Abstract |
有限群の整数表現(完備離散付置環上の表現)において、高さが0の表現加群を含むAuslander-Reiten有向グラフの連結成分に関する研究を推進した。高さが0の表現加群は、Knorrが提唱したvirtually irreducibleという概念とあいまって、既約な表現加群とも密接な関係をもつ重要なクラスである。Lを高さ0の表現加群とし、SをLのソースとする。前年度までに,Lを含むAuslander-Reiten有向グラフの連結成分の形状がA無限型と呼ばれる半平面的に広がる格子状かもしくは半無限に伸びる筒状であることと、Sを含む連結成分の形状がA無限型であることとが同値であることを確かめていた。次の段階として、Lを簡約化して得られるモジュラー表現加群(正標数の体上の表現加群)が直既約である場合に注目した。このような性質を持つ表現加群の存在はThompsonにより指摘されており、整数表現とモジュラー表現を関連づけるときに重要となるものである。この場合には、virtually irreducibleに関連する事実を活用することで、Lで終わる概分裂列の中間項が直既約となることが分かった。この事実は、Lを含むAuslander-Reiten有向グラフの連結成分においてLはグラフの端点に位置することを意味し、ひいてはこのグラフの形状がA無限型か又はD無限型と呼ばれるもののどちらかになることが分かった。さらに、LのヴァーテックスDの正規化群のDによる剰余群の位数が奇数という条件のもとでは、LのソースSを含むAuslander-Reiten有向グラフの連結成分はA無限型であることを導くことができ、結果として、Lを含むAuslander-Reiten有向グラフの連結成分はA無限型であると証明することができた。
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