2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23540119
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
塩谷 真弘 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (30251028)
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Keywords | 数理論理学 / 公理的集合論 / 無限組合せ論 / 巨大基数 / 強制法 / 飽和イデアル / 稠密イデアル |
Research Abstract |
Ken Kunenは、1978年の記念碑的な論文``Saturated ideals''において、huge基数と呼ばれる巨大基数を導入し、最小の非可算無限基数上に飽和イデアルが存在するモデルを構成した。この結果が引き金となって、1980年代にHugh Woodinが同じ仮定のもとで、稠密イデアルが存在するモデルを構成し、ある意味で最終的な結果を得た。 Woodinのモデルは、対応するブール代数を特定できない、という非常に稀な例である。この事実は、一方ではWoodinの発想の非凡さを示しているが、同時にモデル自体の更なる解析を難しくしている要因ともなっている。稠密性は、非自明なイデアルが持ちうる最強の性質であり、そのモデルがどのような性質をみたすかは、集合論の非常に重要な問題である。 本研究は、Woodinのモデルに対応するブール代数を特定する、あるいは、ブール代数を具体的に定義して、Woodinと同様の性質を持つモデルを別に構成することを目標とした。目指すべきブール代数は、2段階の反復強制法で得られるであろうとの予想のもとに、次のような戦略を立てた。すなわち、Kunenの飽和性からWoodinの稠密性に至る、イデアルの各種の性質について順に、2段階反復強制法によるブール代数でモデルを与えることを試みた。これは、既存の方法とは異なる新しいモデルの構成法を与えることでもある。これまでの研究により、Kunenの飽和性とRich Laverの強飽和性については、2段階反復強制法によって目指すブール代数を構成に成功している。本年度の成果として、Woodinの稠密性に至る直前の段階に当たる、Matt Foremanの中心性についても同様の構成に成功した。
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Research Products
(2 results)