2013 Fiscal Year Annual Research Report
無限領域における波動問題に対する有限要素法に関する研究とソフトウェア開発
Project/Area Number |
23540127
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
小山 大介 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 助教 (60251708)
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Keywords | 領域分割法 / 最適化シュワルツ法 / 外部ヘルムホルツ問題 / 不連続ガレルキン有限要素法 / 平面弾性問題 / コルンの不等式 |
Research Abstract |
最終年度には,複素数パラメータに関する最適化シュワルツ法について研究を行った.最適な複素数パラメータの存在は証明したが,それを解析的に与えるには至らなかった.数値的にその最適パラメータを求め,有効な数値結果を得ることができた.より効率的に最適パラメータを求める手段を開発することが必要であり,今後の課題としたい. 平面弾性問題に対するハイブリッド型不連続ガレルキン有限要素法を数学的に正当化するために,その方法に付随するコルンの不等式を証明した.当初計画していた弾性波動問題に対するDtN有限要素法の事前誤差評価の導出はできなかったが,前述のコルンの不等式を用いて,DtN境界条件が課された弾性波動方程式に対するハイブリッド型不連続ガレルキン有限要素法の事前誤差評価を導出することができるものと考えている. 研究期間全体を通じて次のような成果を挙げた:(a) 線形水波散乱問題,音響多重散乱問題に対するDtN有限要素法に対する事前誤差評価を導出した.(b) 円外ヘルムホルツ問題に対する最適化シュワルツ法の最適な実数パラメータを解析的に与えた.(c) ハイブリッド型不連続ガレルキン法に付随するコルンの不等式を証明した.これらの結果はいずれも偏微分方程式の数値解法,特に領域分割法や不連続ガレルキン法に関する基礎的研究結果であり,今後この研究結果を基礎にして,より有効な数値解法の開発を数学的品質保証付きで進めることができることと考えられる.この観点から,本研究での成果は重要であり,意義深いものと考えられる.また,当初計画していた並列計算による計算効率等の考察やDtN有限要素法のソフトウェア開発はできなかったが,これは,その数値解法の基礎的な部分での数理解析が予想以上に難しかったためである.しかしながら,その難解な基礎部分を少しでも解決できたことには大きな意義があると考える.
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Research Products
(6 results)