2014 Fiscal Year Research-status Report
積空間の理論から超空間の位相的性質の解明へ:集合論的手法の模索
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23540149
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
家本 宣幸 大分大学, 教育福祉科学部, 教授 (70161825)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 順序数空間 / 順序位相空間 / 可算メタコンパクト / 積空間 / 超空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
Dowkerは1950年代に正規であるが可算メタコンパクトでないような空間が存在するかを問題とした。その問題は20数年を経て1970年代にRudinによって肯定的に解かれることとなったが、その過程の中で、位相的な周辺概念や集合論的モデルとの関係に関するたくさんの結果が輩出されることとなった。本研究代表者は超空間の位相的性質に興味を持ち、正規性や可算メタコンパクト性に関するいくつかの結果を出してきた。自然数の超空間は正規でないことが知られているが、可算メタコンパクトであるかどうかは未だわかっていない。この問題を解明するためには集合論のモデルとの関係の解明が必須と考え、種々の集合論のモデルの構成方法を本研究課題の中で研究している。その研究の過程で順序位相空間の積の可算メタコンパクト性の二十数年来の未解決問題に解答を与えることができた。整列順序位相空間(順序数空間)は順序位相空間の特殊なものであるが、整列順序位相空間の二つの積の部分空間は常に可算メタコンパクトになることを1990年代にSmithと本研究代表者が示し、順序位相空間の二つの積が可算メタコンパクトであるかどうかを問題として提示した。以後、二十数年間、たくさんの研究者がこの問題にアタックしたが解かれることはなかった。しかし、本年度の平田康史氏との研究の中でこの問題を次の形で否定的に解くこととなった。「任意の非可算共終性を持つ順序数空間に対して、順序位相空間が構成でき、それらの積が可算メタコンパクトではない」それから派生する結果として「順序数空間の部分空間がパラコンパクトであることの必要十分条件は任意の可算メタコンパクト順序位相空間との積が可算メタコンパクトであることである」を示した。この結果はこの分野のトップクラスの国際誌Top.Appl.で発表され、ダウンロードランキング・トップ20の中に入り、国際的にも注目された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
この研究課題の当初の問題のいくつかは未解決のままであるが、この研究の過程の中で二十数年来の未解決問題に解答を与えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は自然数の超空間が可算メタコンパクトか否かを解明するため、種々の集合論的モデルを構成する手法forcingの研究をしている。一つの可能性としてCohen realを付け加えれば、自然数の超空間の要素そのものが増えるのであるが、それが可算メタコンパクトかどうかが決定できないかと考えている。そのための引き出しを増やすため、Proper forcing の研究をしているところである。
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Causes of Carryover |
旅費の端数がでた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度の旅費として使用する。
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