2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23540164
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
池田 宏一郎 法政大学, 経営学部, 教授 (60332029)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | モデル理論 / 安定性理論 / ジェネリック構造 / 超安定 |
Research Abstract |
平成23年度の目的は,非飽和ジェネリック構造を分類することにあった.この目的に対して主に三つの結果を得ることができた. 一つめは,超安定なジェネリック構造に関する結果である.この結果は平成22年度にほぼ得られていたが,一部改良すべき点があった.そこで平成23年度に修正を行ったのち論文にまとめ投稿し,平成24年1月に雑誌に掲載された.この結果によりBaldwinの問題は解決されたことになる. 二つめは,非自明な超安定ジェネリック構造に関する結果である.一つめの結果で得られた構造は自明な幾何をもつ構造であった.そこで桔梗宏孝氏(神戸大学)と,電子メールのやりとりや研究集会を利用した研究打ち合わせ(平成23年11月京都大学)により研究を進め,非自明な幾何をもつ超安定なジェネリック構造を得ることができた.この結果は論文にまとめられたのち雑誌に投稿し,平成24年3月に受理された. 三つめは,ジェネリック構造と強順序性との関係に関する結果である.平成23年4月より,John Baldwin氏(イリノイ大学シカゴ校)と定期的に研究打ち合わせを行い,すべてのジェネリック構造はある種の強順序性(SOP_4)をもたないことが証明された.この結果は平成23年6月にUIC Logic Seminarにおいて発表され,さらに改良された結果が平成23年11月にRIMS研究集会で発表された.また,この結果を論文にまとめたものは数理解析研究所講究録に掲載予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究目的は,非飽和ジェネリック構造を分類することにあった.この目的に対して得られた三つの結果のうち二つは,いままで知られていない非飽和ジェネリック構造に関する結果である.残りの一つの結果は,一般のジェネリック構造を扱っているが,更に解析を進めることで新たな非飽和ジェネリック構造の研究につながる可能性が十分ある.現時点では,非飽和ジェネリック構造の性質についてわからない部分もいくつか残っているが,平成24年度以降の目標(Lachlan予想の解決)に移行するための準備はほぼできたと思われる.よって平成23年度の目的はほぼ達成できたと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の目的はほぼ達成できたので,平成24年度以降は当初の目的である「Lachlan予想の解決」に向かって研究を進めたい.そのために,Lachlan予想に関して世界で一番詳しいうちのひとりであるAnand Pillay氏(リーズ大学)と,夏に開催される国際研究集会を利用して研究打ち合わせを行う予定である.また,米国のモデル理論の第一人者であるBaldwin氏と定期的に研究打ち合わせを行い,本研究の方向性などを議論したい.さらに,毎年夏に日本で開催されるモデル理論の研究集会で,本研究に詳しい坪井明人氏(筑波大学)および桔梗宏孝氏(神戸大学)と,本研究の進展状況について研究打ち合わせを行う予定である.そして年度末には,得られた結果の中間報告を研究集会等で行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年夏にイギリスで開催される研究集会(Logic Colloquium 2012)に参加し,Pillay氏と研究打ち合わせを行う予定である.同様に毎年夏に日本で開かれるモデル理論研究集会に参加・発表し,坪井氏および桔梗氏と研究打ち合わせを行う予定である.さらには,若手研究者2名に本研究に必要な専門的知識を提供してもらう.また,本研究に必要なレーザープリンタ,モデル理論関連図書,PC周辺機器,PC関連ソフトを購入予定である.また,平成23年度に予定していたスペインの研究集会への参加は,研究代表者の研究環境の変化(在外研究)により,中止せざるをえなかった.よってそれに対応する研究費は平成24年度に繰り越す予定である.
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Research Products
(6 results)