2013 Fiscal Year Annual Research Report
弦の場の理論を用いた超弦理論の非摂動論的性質の探求
Project/Area Number |
23540332
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Research Institution | Okayama Institute for Quantum Physics |
Principal Investigator |
村上 公一 岡山光量子科学研究所, その他部局等, 研究員 (00400698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 正夫 岡山光量子科学研究所, その他部局等, その他 (40198536)
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Keywords | 素粒子論 / 弦理論 / 場の理論 / 素粒子論的宇宙論 |
Research Abstract |
最終年度においては,村上は昨年度に引き続き光円錐ゲージのNSR形式の超対称な閉弦の場の理論の多重ループでのcontact項問題の次元正則化による解決することを目標に研究を行った.本年度は,昨年から研究を進めていた非臨界次元でのボソン的な光円錐ゲージの弦の場の理論の多重ループ振幅の計算を完成させた.特に,この振幅がモジュラー不変性を持ち,正しくfactorizeすることや,この振幅は,ゴーストセクターおよびこれまでの研究で構成した縦波方向の共形場理論を用いて,共形ゲージの弦のBRST不変な振幅として書き表すことができることを示した.これらのことは,次元性正則化がループレベルでも弦理論のゲージ不変性を破っていないことを示唆していて重要である.これらの成果は,筑波大学の石橋延幸氏との共同研究として研究論文として出版された. こうして,研究期間全体と通じて,超対称な場合のtree振幅のcontact項の問題を次元正則化を用いて処理する処方を確立し,それをループ振幅へも適用する大きな手掛かりを得たといえる.現在,これらの解析を足掛かりにして,超対称な場合の多重ループ振幅へ拡張することを遂行中である. 研究分担者の二宮は昨年度からの,弦の場の理論を離散化の方法によって定式化するという新機軸において,正しい質量スペクトラムを導くことをボソン弦の場合に完成させ,研究論文として出版した.引き続き,ベネチアーノ振幅を再現することを目指して計算を行い,一定の成果を得た.振幅を再現することが示されれば,本科研費の研究で追及してきたこの新しい弦の場の理論の定式化が正しい方向を向いていることを保証することになり,この成果は重要である.また,物質場の量子効果を取り入れることにより,いくつかの単純な条件を課すことにより,初期宇宙のインフレーション膨張を実現する解が得られることを見出した.
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Research Products
(2 results)