2012 Fiscal Year Research-status Report
高度に自己組織化されたメタラマクロサイクリックの精密合成と機能
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23550085
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
前川 雅彦 近畿大学, 理工学総合研究所, 教授 (70229293)
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Keywords | 配位高分子 / Cu(I)錯体 / エチレン付加体 / メタラマクロサイクリック / アニオン / 分子認識 / アニオンテンプレート / X線構造解析 |
Research Abstract |
C2H4およびCO雰囲気下MeOH溶液中,{BF4-, ClO4-あるいはPF6-}を対アニオンとするCu(I)イオンと6,6'-ジメチル-4,4'-ビピリミジン (Me2bpm)を反応させると,3つの二次元シート構造を有するCu(I)-Me2bpm/{C2H4, CO}付加体である[Cu4(Me2bpm)3(C2H4)3(MeCN)](BF4)4.0.33MeOH}n (1), {[Cu4(Me2bpm)3(C2H4)3(MeOH)0.33](ClO4)4}n (2), {[Cu4(Me2bpm)3(CO)3(MeCN)](PF6)4.0.33MeCN}n (3),および4核Cu(I)-Me2bpm/CO付加体である[Cu4(Me2bpm)4(CO)4](BF4)4.4MeOH (4)が生成した。錯体1, 2および3において注目すべきことは,[Cu3(Me2bpm)3]3+骨格を有するメタラカリックス[3]アレン構造がMeCNあるいはMeOHが配位した別のCu(I)イオンにより繋げられて小さなCu3空孔と大きなCu9空孔を有するキラルな二次元シート構造を形成され,小さなCu3空孔内には錯体1ではMeOHが錯体3ではMeCNが取り込まれ,さらに錯体1, 2および3の大きなCu9空孔の上方には1つの対アニオンがCu9空孔の下方には3つの対アニオンが機能的に取り込まれている。一方Cu(I)-Me2bpm/CO付加体4は,4つのBF4-アニオンのうちの2つが[Cu4(Me2bpm)4]骨格の上方および下方に取り込まれている。以上,昨年度の結果に加えて本年度はbpmの類縁配位子であるMe2bpmを用いて,二次元シート構造を有するCu(I)配位高分子ならびメタラマクロサイクリック-{C2H4, CO}付加体がアニオンおよび溶媒選択的に自己集積化できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
配位子1(Me2bpm)を用いて、新規に4つの関連化合物を合成し、その結果を学術論文として報告した。また配位子4および5の合成ができたので、次年度これらを用いて錯体合成を行なう準備がほぼできた。
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Strategy for Future Research Activity |
配位子4および5を用いて錯体合成を行ない、その構造および性質を明らかにすると共に、C60などの取り込みなどの実験を行ない、最終年度としてすべての実験結果をまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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