2011 Fiscal Year Research-status Report
定着用膨張材によるPC鋼材の簡易中間定着具の開発と定着機構
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23560552
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
原田 哲夫 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50136636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 謙二 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20575394)
永藤 政敏 長崎大学, 工学(系)研究科(研究院), 技術職員 (00398182)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 定着用膨張材 / PC緊張材 / 中間定着 / 定着具 / プレストレストコンクリート |
Research Abstract |
平成23年度研究計画の各項目の実施状況と研究成果は以下の通りである。1. 簡易中間定着具の開発: 緊張状態にあるPC鋼材を半割れ状態の鋼管スリーブを上下にセットし,それを拘束するC形鋼材を順次挟み込む定着具を開発した。緊張状態にあるPC緊張材と半割れスリーブのすきまに定着用膨張材のスラリーを充填し,所定の膨張圧が発生することを確認した。なお,本工法の基本構想は,2006年4月に「PC緊張材の中間定着具および定着方法」(特願2006-102086)として出願し,2011年7月に特許第4779093号として取得した。2. 現場での膨張圧の管理方法の検討: スリーブがC形鋼材で構成されており,どの位置の膨張圧を測定すべきか,また,現場での簡易的な膨張圧管理方法について,簡易型圧力計を用いて実験的な検討を実施した。3. PC鋼材の種類と必要定着長に関する実験的検討: PC橋の横締めに使用されているPC鋼棒とPC鋼より線を対象とし,PC鋼棒ではφ23,φ26,PC鋼より線では1T17.8を用いて,40MPaの膨張圧で設計緊張荷重をどの程度の損失で定着できるかを実験的に検討した。定着具内にいわゆる「付着長」が存在し,鋼材の種類や膨張圧の大きさが影響することがわかった。4. 定着機構の解明と解析的検討: 実験結果から,鋼管スリーブとPC緊張材間の定着用膨張材層は,PC緊張材の引張力を鋼管スリーブに伝達するせん断バネの役目を果たしているとの定着機構を明らかにした。このせん断バネを介して,PC緊張材,鋼管スリーブそれぞれの変位に関する連立微分方程式を誘導し,これらを数値解析的に解いて,付着長や必要定着長を求める方法を開発できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究計画のうち,研究実績の概要で述べたように,1. 簡易中間定着具の開発,2. 現場での膨張圧の管理方法の検討,3. PC鋼材の種類と必要定着長に関する実験的検討,4. 定着機構の解明と解析的検討は,ほぼ計画通りに進展している。特に,4.については,当初の計画以上に進み,コンクリート工学年次論文集に論文を投稿できた。しかしながら,「5. 定着用膨張材(HEM)の耐久性および膨張圧の安定性に関する実験的検討」については,見かけの拡散係数などの耐久性を調べる実験装置の製作に時間を費やし,年度内に実験を実施することができなかったため,総合的に判断して区分を(2)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は平成23年度に引き続き,1.~5.の研究計画を実施する。1.~4.の計画では,膨張圧の大きさ,PC鋼材の種類,径等のパラメータが多いため,パラメータごとの整理が必要となるからである。5.については,1.~4.よりも優先的に実験を行う予定である。さらに,「6. ASRにより鉄筋破断の可能性のある構造物の補強工法」としての可能性を検討する。開発した中間定着工法は,ASRによって鉄筋破断した構造物に,局所的にプレストレスを与える新たな補強工法の定着法として実用可能性があると考えられるからである。補強で使用するPC鋼材は長さが短く,セットロスの影響が大きいため,緊張状態をキープしたまま定着する本工法であれば,局所的に損失がほとんどないプレストレスの導入が可能となると考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記のように,研究は実験的な検討が主であり,予算は,ひずみゲージなどの実験用の消耗品に充てられる。また,研究発表のための国内旅費も計上している。
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Research Products
(1 results)