2013 Fiscal Year Annual Research Report
社会的合意形成のための要件を組み入れたLRT導入の適合性評価手法の構築
Project/Area Number |
23560635
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
吉川 耕司 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (80220599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 直幸 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (20247878)
伊藤 雅 広島工業大学, 工学部, 准教授 (70273464)
波床 正敏 大阪産業大学, 工学部, 教授 (60278570)
PERRY 史子 大阪産業大学, デザイン工学部, 教授 (10238719)
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Keywords | 交通計画 / LRT / 住民合意形成 |
Research Abstract |
本年度は、都市が持つ主体的条件に基づいた計画プロセスを把握するため、フランスのアンジェ・ルマン・モンペリエの3都市について、計画担当者へのヒアリング調査を実施した。 その結果、フランス地方都市におけるLRT整備は、交通権の保証及び都市整備との一体化という理念のもとで、交通財源の裏付けを持ちつつ、地方が主体となって社会的合意形成を重視し、創意的・包括的な都市環境保全・都市成長戦略の基盤としての交通政策であることが明らかとなった。 これらから、総合的・包括的な都市交通政策を推進するために、フランスとの対比でわが国の制度が抱える主な課題として以下の3点を明らかにすることができた。まず、道路交通と軌道系交通とは競合関係・補完関係が存在するにもかかわらず、これらを一体として計画する仕組みが存在せず、道路は公共投資で、鉄道・軌道は民間事業として進められている。次に、歴史的に公共交通は民間が担ってきたこともあって、軌道系交通に公的資金を投入する仕組みが十分ではなく、また私企業である交通事業者に公的資金を投入することの市民理解が得にくい。さらに都市交通政策は地方行政が主体的に担うべきであるが、組織的にも財源的にもそのような権限を発揮するだけの仕組みが十分でない。 さて最後に、本年度までの成果を受けて、客観的要件(都市要因)と主体的条件(計画プロセス)の両者を考慮に入れた成立要件の抽出を行って、LRTの成立可能性に関する総合的評価手法を構築することができた。
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Research Products
(14 results)