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2012 Fiscal Year Research-status Report

性能評価に基づくパイルキャップ接合部の次世代耐震設計法の開発

Research Project

Project/Area Number 23560679
Research InstitutionShibaura Institute of Technology

Principal Investigator

岸田 慎司  芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (10322348)

Keywordsパイルキャップ / 基礎梁 / 既製杭 / アンカー筋 / 接合部 / せん断強度 / 耐震性能 / 配筋方法
Research Abstract

パイルキャップ内には各種鉄筋が構造規定に基づいて配筋されているが,袴筋やベース筋など各種鉄筋の効果については明確になっておらず,例えば柱主筋,基礎梁主筋,杭アンカー筋の定着をどのように確保するかなどが問題となっているが,設計者の判断に委ねられている。これらパイルキャップ内の各種鉄筋の補強効果を期待せず,コンクリート断面のみでせん断力を負担させる現在の設計は安全側ではあるが,合理的であるとは言い難い。そこで,各種鉄筋の補強効果を明確にすることで,合理的な配筋仕様を提案できると考え,今回は基礎梁位置による配筋方法の違いがパイルキャップの耐震性能に及ぼす影響を明確にすることを目的とした。
そこで,パイルキャップ内の配筋方法をパラメータとした試験体の載荷実験を行った。パイルキャップに取付く基礎梁位置によって,パイルキャップの性能が異なると考え,杭と基礎梁主筋が干渉する場合を想定し,杭埋込み長さを100mmとし,基礎梁位置を通常より上部に上げた試験体を基準試験体No.1とした。試験体No.2は試験体No.1とせん断補強筋量が同等だが,縦筋を短くし,杭頭周囲に配筋の無い試験体である。試験体No.3は,せん断補強筋量を増やした試験体となっている。また,全試験体共に鋼管杭にはアンカー筋を定着として用いた。
パイルキャップの上下で断面の異なる部材がついているため,通常のト形柱梁接合部と異なり,載荷方向で異なる挙動が見られた。正載荷時で負載荷時と比べて,最大耐力が25%程度高く,パイルキャップ補強筋量の多い試験体では最大耐力の増加が見られた。負載荷時では基礎梁位置を上げた影響で,基礎梁によるパイルキャップ下部の拘束力が小さくなり,基礎梁下端主筋の引張力により,杭の抜出し変形が顕著となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

実験は終了しデータ整理も終わっているが,FEM解析によるパラメトリックス解析が行われていないため,やや遅れている状況である。
FEM解析においても実験においても学生と一緒に行う予定でいる。昨年度は解析を行う学生が居なかったために遅れている。今年度は計画通り学生を確保し実施可能な体制が整った。
今後,マクロモデルの構築,設計法の提案を試みて,提案手法の妥当性のための実験計画を行う。

Strategy for Future Research Activity

昨年度得られた結果をもとに,三次元非線形有限要素法解析によるパラメトリック解析を実施する。現状のパイルキャップ内部に配筋されている袴筋およびベース筋は剛性を確保する目的に使われているが,強度および変形性能を考慮した場合,実際には過剰配筋であると考え,せん断抵抗機構を考えることにより補強筋としての役割を果たせるはずである。
申請者らの既往の解析により,解析結果の破壊性状や剛性,各種ひび割れ強度と実験結果との妥当性が示されており,それらの研究を参考にし,各種鉄筋を立体的にモデル化する。申請者らの既往の実験結果によって,袴筋やベース筋に貼付したひずみゲージにより局所的な応力状態を把握しているので,内部に生じるせん断応力度分布など多変数解析も視野に入れ,簡易な配筋方法を検討したい。三次元非線形有限要素法解析には現有のDIANA9を使用する。
性能評価型の次世代耐震設計法の原案を適宜修正して,最終案を提示する。
その有効性を再検証するために,柱と杭と基礎梁の取り付いた平面ト形の部分骨組試験体1体を作製して実験する。
本研究で実験したト形部分架構試験体の成果に申請者の既往の実験研究の成果を重ね合わせながら,前年度までに検討したパイルキャップの簡易配筋法の評価結果も考慮して,複数本杭のあるパイルキャップを包括する立体的な破壊モデルを表現できるマクロ・モデルを構築し,パイルキャップ破壊強度および変形性能を定量的に評価する。ここでは,ストラット・タイモデル等を使用してパイルキャップのせん断強度を求めることを試みる。
以上の研究で得られたパイルキャップ内の各種鉄筋の応力状態を実験と解析から明らかにし,配筋の簡略化と断面の縮小化を定量的に評価し,パイルキャップの性能評価型の次世代耐震設計法を策定する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

解析を行うにあたり,学生に支払う謝金が発生する。
この耐震設計法の原案の妥当性を検証する為に,パイルキャップ内の各種鉄筋量を合理的にした試験体1体を設計して正負交番載荷する静的実験を行う。試験体の寸法,測定項目等は前年度と同じである。試験体作製費用と学生に支払う謝金が発生する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] ト形部分架構を有するパイルキャップの耐震性能に関する実験研究 その2 実験結果と考察2013

    • Author(s)
      大和久 貴義,冨山 善太,上坂 宜嗣,林 静雄,岸田 慎司
    • Organizer
      日本建築学会大会
    • Place of Presentation
      北海道大学工学部
    • Year and Date
      20130830-20130901
  • [Presentation] ト形部分架構を有するパイルキャップの耐震性能に関する実験研究 その1 実験概要と結果2013

    • Author(s)
      冨山 善太,大和久 貴義,上坂 宜嗣,林 静雄,岸田 慎司
    • Organizer
      日本建築学会大会
    • Place of Presentation
      北海道大学工学部
    • Year and Date
      20130830-20130901

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Published: 2014-07-24  

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