2013 Fiscal Year Annual Research Report
性能評価に基づくパイルキャップ接合部の次世代耐震設計法の開発
Project/Area Number |
23560679
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸田 慎司 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (10322348)
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Keywords | パイルキャップ / 既製杭 / 基礎梁 / アンカー筋 / 接合部 / せん断強度 / 耐震性能 / 配筋方法 |
Research Abstract |
今年度の研究成果 パイルキャップ内に配筋されている鉄筋として,縦筋とせん断補強筋で配筋された「かご筋型」を参考にして,縦筋を4本とし補強筋をD13に大きくした場合と縦筋を8本とし補強筋をD13に大きくし,パイルキャップ底面のひび割れを補強するためにリング筋を配筋した場合の実験を行った。結果として,パイルキャップのせん断補強筋比を上げたことで最大耐力が正載荷時では10%程度,負載荷時では20%程度大きく増加し,正載荷時と負載荷時の最大耐力差が通常では20%程度であったが,今回の試験体では7%~10%程度まで減少した。また,パイルキャップ底面にリング筋を配筋した場合は最大耐力時(層間変形角2%時)までは杭の変形を抑えることができたが,最終変形時(層間変形角4%時)にはパイルキャップ底面のひび割れがリング筋状に発生したため,杭の変形が大きくなった。 全体を通じた研究成果 縦筋にし,パイルキャップ内のせん断補強筋量を増すことで,最大耐力の向上,周辺部材の変形抑制することが可能となり,現行の配筋よりも鉄筋量を少なくすることの可能性を明らかにした。基礎梁位置を上げると,基礎梁によるパイルキャップ下部の拘束力が小さくなるため,負載荷時ではアンカー筋が基礎梁下端主筋の引張力の影響をうけて,杭抜出し変形が顕著となる。さらに,パイルキャップ底面に配筋をしないと最大耐力に顕著な違いはないが,耐力低下が大きく,損傷が著しくなるため,リング筋などひび割れ防止筋のような配筋を考えることが重要となる。パイルキャップ内応力伝達機構から,加力方向によりストラット抵抗機構の形成が異なることで,加力方向による最大耐力に差異が生じたと考えられる。またパイルキャップ内の歪みの結果から,パイルキャップの奥行方向でストラットの応力が異なると考えられ,さらに負載荷時では接合部補強筋比の影響が大きいことが確認できた。
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Research Products
(2 results)