2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560830
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
原 正憲 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 准教授 (00334714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布村 紀男 富山大学, 総合情報基盤センター, 准教授 (10372476)
赤丸 悟士 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 助教 (10420324)
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Keywords | 水素吸蔵合金 / 熱力学特性 / 磁化率 / 電子状態計算 / 設計指針 |
Research Abstract |
水素ハンドリング材(金属製水素透過膜,水素吸蔵合金)の熱力学特性(水素平衡圧力,水素化物生成エンタルピー,水素吸蔵量)を水素圧力-組成等温線(P-C曲線)を実測に因らず,電子状態計算により評価する手法の検討を目的に研究を行ってきた.この手法が確立されれば,長時間の測定が必要なP-C曲線を実測することなく,水素ハンドリング材の候補材料のスクリーニングが机上で行う事が出来る様になり,効率的な開発につながる.本研究では特にPd系合金に着目し,水素化に伴う磁化率変化を測定することで電子状態計算の妥当性を確認しながら,バンド計算と実測データの予測法の検討を行った. 最終年度である平成25年度に行った研究の主な成果は以下の通りである. (1) 水素溶解領域では強磁性元素を含むPd合金において,磁化率が急激に変化することを見いだし,水素センサー等への応用が出来るPd合金のスクリーニングと評価を実測の磁化率とバンド計算より行った.その結果,水素センサーへの利用が可能なPd合金を見いだした. (2) 水素吸蔵合金において,水素の吸収と放出の際の圧力は吸収圧力に比べ放出圧力が低くなるヒステリシス現象が現れる.この現象を引き起こす要因をZrMn2合金のP-C曲線の測定を通して,弾性変形が主な要因であることを得た.このことから,バンド計算により得られる弾性率よりヒステリシスの大きさを評価できるという着想を得た. 本申請の研究により,バンド計算手法の1つであるKKR-CPAにより非化学量論比の金属水素化物の電子状態が計算できること,非占有のdバンドの大きさより水素吸蔵量が評価できること,弾性率よりヒステリシスが見積もれる可能性があることを見いだした.
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Research Products
(7 results)