2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23560907
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
二井 晋 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90262865)
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Keywords | 超音波 / 粒子 / 分離 / 分画 |
Research Abstract |
混合粒子懸濁液から標的粒子を高い選択性で分離するために、懸濁液に高周波超音波を照射して、径のそろった微細液滴の生成と液中での粒子凝集の2つの作用を組み合わせ、標的粒子を霧に取り込んで分離する新手法を開発し、種々条件下での粒子分離特性の調査、分離粒子径制御とともに分離機構の解明を目的とする。 50~700 nmの幅広い径を持つシリカ及びポリスチレンラテックス粒子懸濁液を調製し、2.4 MHzの超音波を照射して生成させた霧の中に、特定の大きさを持つ粒子(径が90~320 nm)が粒子の種類によらず取り込まれ、回収できることを明らかにした。この手法では、分離が、対象粒子の物性よりも大きさに強く影響され、しかも分離粒子径に下限があることが特徴である。 本手法では従来法のようにフィルターなどの物理障壁がないため、高粒子濃度試料への適用が期待される。粒子濃度が1000 ppmの高い値でも高い分離性能が得られ、この性能は約1500 ppmまで高く保たれた。現在の膜分離ではこのように高い粒子濃度の適用は困難で、本手法の優れた点のひとつである。 分離される粒子径は試料懸濁液への界面活性剤の添加とともに小さくなり、この傾向は、超音波で生成される液滴径の傾向と対応した。また、非イオン性界面活性剤の極微量添加により回収粒子数が飛躍的に増大し、粒子回収促進法として実用的な意義が大きい。霧とともに標的粒子を回収する方法について検討し、液体窒素による冷却が有効なことを見出した。 粒子分離メカニズムの考察では、試料懸濁液中の溶存空気の減圧除去により分離性能が失われた。この事実は、超音波照射下での液中の気泡生成が分離に重要な役割を果たすことを示しており、特異な分離メカニズムが作用していることがわかった。気泡生成による液中での粒子凝集もしくは液滴生成に及ぼす作用は未解明であり、さらなる研究が望まれる。
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