2013 Fiscal Year Annual Research Report
ファン騒音の高精度数値予測による解明と複数音響モード制御実験
Project/Area Number |
23560955
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山崎 伸彦 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70166635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪口 雄三 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), その他 (30274509)
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Keywords | ファン騒音 / トーンノイズ / 能動制御 / ANC / モード解析 / 線形非定常 / 翼列 |
Research Abstract |
ファン動翼下流の静翼の,リーン (周方向傾斜角),動翼からの軸方向距離,スイープ (軸流方向後退角),がファン騒音低減におよぼす効果を,非定常レイノルズ平均ナビエストークス (URANS) にもとづく数値計算によって明らかにし,いずれの幾何学的パラメタも騒音低減に有効であることを,物理的根拠とともに示した.このうちスイープの効果が最終年度に得られた結果である.ただしリーンの効果や翼列間距離の効果と異なり,スイープの効果においては,下流側へ伝播する騒音は低減できるものの上流側へ伝播する騒音は増加してしまうという,予想と反する結果が得られた.この原因解明は,本課題の次の発展研究課題として取り組む予定である. ダクト内の音響場を周波数空間で解く線形非定常計算をおこなった結果,現在の数値解法では音波の人工的な減衰が大きいことが分かってきた.他方,ダクト内の音響場を時間空間で解く非線形非定常計算をおこなった結果,ダクト内音響モードをよく模擬できるものの多大な計算リソースを必要とすることが分かった.これら線形・非線形のダクト内音響伝播の成果はすべて最終年度に得られたものである. モデル試験機を用いたファン騒音の能動制御試験については,当初の 3 年計画の研究内容をほぼ 2 年で完了させることができた.具体的には,複数の音響モードを発生させることのできる音源を開発し,周波数空間 Filtered-X アルゴリズムを導入し,複数モードの自動制御を可能とした.このため最終年度の平成 25 年度は,研究のさらなる発展に向けた試験準備をおこなった.
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