2013 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙機の姿勢制御性能に影響を与える衛星内部状態量の高精度推定と軌道上推定の研究
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23560965
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
齋藤 宏文 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (80150051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 真一郎 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (10342619)
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Keywords | 人工衛星 / 姿勢決定 / カルマンフィルタ / 地磁気センサ / バイアス誤差 |
Research Abstract |
地磁気センサは、小型でかつ安価であることから、小型衛星の姿勢決定にしばしば用いられるセンサであるが、特に小型衛星ではそのバイアス誤差の影響が姿勢決定に際して問題となる。そこで平成23、24年度の本研究において、Unscented Kalman filterと呼ばれる拡張カルマンフィルタを適用して、姿勢等と同時にこのバイアス誤差を推定する新たな手法を提案していた。その際課題として識別されていたのは、推定に用いるフィルタのパラメータ調整に明確な指針を示しがたい点であった。平成25年度はこの課題に対し、平成23,24年度に提案していたカルマンフィルタ適応化の手法を応用して、最適なパラメータを見いだす手法を新たに提案した。 さらに、小型衛星の姿勢に対する主要な外乱トルク源である残留磁気モーメントの推定手法についても新たに研究を行った。従来から、残留磁気モーメントが時不変であると仮定してこれを推定する手法は提案されていたが、本研究で提案された手法は、時変な残留磁気モーメントについても推定する能力を有している点で優れたものである。 平成25年度は本研究の最終年度でもあることから、これまでの本研究で得られた成果を統合し、磁気センサのバイアス誤差と残留磁気モーメントとを同時に推定するための、統合された推定機構についても提案を行っている。この統合推定機構は、小型衛星の磁気姿勢制御に際して非常に実用的なものであり、その価値は高いものと考えている。 これらの成果はそれぞれ、2件の国際会議発表、2件の雑誌論文および1件の図書として、平成25年度に発表されている(国際会議発表1件については、発表賞を受賞)。
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