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2011 Fiscal Year Research-status Report

廃自動車シュレッダーダスト油化残差からの貴金属・レアメタルの分離回収

Research Project

Project/Area Number 23560988
Research InstitutionTohoku University of Community Service and Science

Principal Investigator

古山 隆  東北公益文科大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (90284546)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
KeywordsASR / 貴金属 / レアメタル / 油化 / 浮遊選別
Research Abstract

廃自動車シュレッダーダスト(ASR:Automobile Shredder Residues)は廃自動車をシュレッダー処理して有価金属を回収した後に残る残差である。現在、自動車リサイクル法においてガス化溶融や焼却・熱回収などのサーマルリサイクルによって適正処理されているが、ASRにまだ残っている貴金属やレアメタルは回収されずに溶融スラグや焼却灰に含まれたままで埋め立て処理されているのが現状である。本研究では、国内における資源確保という観点から、ASRに含まれる貴金属およびレアメタルを油化により残渣側に濃縮し、その濃縮物から浮遊選別により回収する実験を行う。なお、研究計画では回収対象物として貴金属は金(Au)および銀(Ag)、レアメタルはタングステン(W)およびチタン(Ti)をとしていたが、レアメタルの回収物はネオジウム(Nd)とパラジウム(Pd)に変更する。 平成23年度は九州メタル産業株式会社(北九州市)の廃自動車処理工程で発生しているASR中の貴金属(Au、Ag)について定量分析を行った。対象とした工程産物はジグザグ空気選別機の浮上物、ジグザグ空気選別機の沈下物を箱型空気選別機に投入して得られた浮上物、重質ASRを箱型空気選別機に沈下物を2 mm幅のスリットでふるい分けたふるい下産物である。各産物についてはさらに1 mmのふるいでふるい分けを行い、それぞれを試料(1)、試料(2)および試料(3)と命名した。各試料は500 ℃で1時間熱処理した後に酸で溶解し、溶解液をICP-AESで分析を行った。分析の結果、Auは試料(1)に10 ppm、試料(2)に5 ppm、試料(3)に7 ppm含まれていることが分かった。また、Agは試料(1)に27 ppm、試料(2)に43 ppm、試料(3)に102 ppm含まれていることが分かった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

今回の調査結果によって、Auについては試料(1)、Agについては試料(3)に多く含まれていることが確認された。平成24年度は試料(1)および試料(2)を熱分解することによって有機物油化し、貴金属を固形物残渣に濃縮する実験を行う。平成23年度では熱分解装置(ポータブルリアクター)を購入したが装置を組み立てる段階までしか行っていない。このため、熱分解に関する実験は文献調査のみ行っている。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度は有機溶剤によるASRの油化に関する実験を行う。使用する有機溶剤はC重油および廃潤滑を用いる。また、ASRには塩素が数%含まれているため、容器の腐食防止のために脱塩素を行う必要がある。そこで、脱塩素化処理中の温度-圧力特性の把握および脱塩素化率を明確にするための実験を行う。さらに、脱塩素化した試料をポータブルリアクターに投入し、各有機溶剤と室温で混合する。次に窒素パージを行って容器を密閉し、温度、圧力、加熱時間を変化させてASRの油化に最適な条件を見出す。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度は浮遊選別機を購入する予定であった。しかしながら、ASRの油化実験の回数が予定より多くなる見込みとなったため、装置の購入は行わず、油化実験における貴金属・レアメタルの分析費に研究費の大半を充当する。なお、浮遊選別に関する実験では装置を所有している研究機関のものを借用する予定である。残りの研究費については、研究の打合せや試料採取等の出張費やポータブルリアクターに関する消耗品等に使用する。

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Published: 2013-07-10  

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