2013 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシスにおける核の凝縮因子のゲノムワイドな探索: ヒト半数体細胞を用いて
Project/Area Number |
23570083
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
刀袮 重信 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (70211399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 威明 愛媛大学, 教育学部, 講師 (20398431)
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Keywords | アポトーシス / 核 / キナーゼ / アクチン / DNase |
Research Abstract |
アポトーシスの分子機構を実行過程(最終過程)の核凝縮に特に注目して解析してきた。もし、核が正常に凝縮できなければ、他の細胞に貪食されず種々の疾患の引き金になると考えられる重要な現象であるのに、解明が進んでいないことと、この過程を解析する優れたcell-free systemを我々が持っているからである。これまでに、微速度映画を用いて、アポトーシスにおける核凝縮が、リング形成、ネックレス形成、核崩壊の3ステップを忠実にたどることを発見し、これらのステップに進ませる因子の同定を行ってきた。 そのうち、第2、第3のステップであるネックレスと核崩壊には、DNaseとカスパーゼ6がそれぞれ必要十分であることを明らかにした。ただし、第3のステップには、ATPが必須で、かつ核アクチンの重合も何らかの働きを持つらしい。第1のステップであるリング形成については、キナーゼMst-1がヒストンH2Bのリン酸化を起こすことがクロマチンのリモデリングの引き金になるという報告がある。しかし、この酵素の組換え蛋白(活性型)を単離核にかけても核凝縮はおきず、またその遺伝子をノックアウトした細胞においても核凝縮は阻害されないことから、Mst-1は無関係と考えられる。リング構造の形成は極めて迅速な反応であり、数分で生じる。このリングの内部は電子顕微鏡観察によるとほとんど構造を見出せない。軟エックス線顕微鏡による観察では、何らかの繊維の存在が示唆された。また核内には多数の構造体が存在することが知られているが、それらは、リング内部に明瞭に存在し続けることが分かった。これらの核凝縮についての機能は、まったく知られておらず、核内アクチンの働きとともに今後明らかにするべきであろう。半数体細胞を用いた手法は、ノックアウトした細胞がほとんど増殖しなくなるなど、使いにくく、残念ながら不成功に終わった。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Breast cancers with high DSS1 expression that potentially maintains BRCA2 stability have poor prognosis in the relapse-free survival.2013
Author(s)
Rezano A, Kuwahara K, Yamamoto-Ibusuki M, Kitabatake M, Moolthiya P, PhimsenS, Suda T, Tone S, Yamamoto Y, Iwase H, Sakaguchi N
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Journal Title
BMC Cancer. 2013 Dec 1;13:562. doi:
Volume: 13
Pages: 562
DOI
Peer Reviewed
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