2013 Fiscal Year Annual Research Report
翻訳後修飾において神経ペプチドのアミノ酸をD型化する酵素に関する研究
Project/Area Number |
23570094
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
森下 文浩 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20210164)
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Keywords | アメフラシ / 神経ペプチド / D型アミノ酸 / 翻訳後修飾 / 遺伝子導入 / 細胞培養 |
Research Abstract |
われわれが軟体動物腹足類のアメフラシから単離したNdWFamideはD型トリプトファンをもつユニークな心拍動増強ペプチドである。NdWFamideは翻訳後修飾の過程でトリプトファンがD型化すると考えられるため、D型化酵素(peptydil-D/L-イソメラーゼ)の同定することを目的に研究を行ってきた。前年度までNdWFamideを発現するアメフラシのRUQニューロンに特異的に発現するmRNAをサブトラクション法で取得し、そこから作製したcDNAのクローニングを行ってきた。その結果、機能不明の新奇分泌型蛋白質をコードすると思われるcDNAを最終的に3種得た。その後、新たにクローニングしたcDNAがpeptidyl proline isomeraseと相同性が高かったことは興味深い。 これらの候補遺伝子が実際にNdWFamideをD型化できるかどうかをスクリーニングする方法として、予め、NdWFamide前駆体を発現する細胞を作製し、そこへ候補遺伝子を共発現させ、D型トリプトファンをもつペプチドが産生されるかどうかを確かめることとした。発現させる細胞として、哺乳動物の神経ペプチド前駆体を発現することが知られているCHO-K1細胞を用いた。NdWFamide前駆体cDNAをpF5A-CMV-neo-vector (プロメガ)に組み込み、リポフェクション法で遺伝子導入した。G418添加による選別では発現ベクターの取り込みはできていると思われたが、現在までにペプチドの産生は確認できていない。研究期間は終了したものの、今後さらに、他の細胞系の使用を含む発現条件等を検討し、前駆体遺伝子の発現と候補遺伝子の発現を成功させたい。
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